米Appleがタブレット端末「iPad」と「iPad mini」の出荷台数見通しを変更したと、複数の米メディアが台湾のIT業界新聞、DigiTimesの記事を引用する形で、現地時間2013年3月7日に報じた。

 DigiTimesによると、Appleは当初2013年の年間出荷台数を1億台と見込んでいた。内訳はiPadが6000万台、iPad miniが4000万台。現在Appleは、iPad3300万台、iPad mini5500万台の合計8800万台にとどまると見ている。
 
 2012年11月に発売したiPad miniの販売が好調で、2013年も同モデルが大幅に伸びると予測している。一方でiPadが減少し、iPad miniがiPadを上回ることがサプライチェーンに与える影響は大きい、とDigiTimesは伝えている。業界関係者によると、iPadにディスプレイパネルを供給している韓国LG Displayと、バックライトユニットを供給している台湾Radiant Opto-Electronicsが減産を余儀なくされ、業績が下方修正される可能性がある。これに対して、iPad miniにディスプレイを供給する台湾AU Optronicsとバックライトユニットを供給する台湾Coretronicは、業績が向上するとみられている。

 一方、米Business Insiderは、iPad miniの利益率はApple製品全体の平均利益率を下回っており、iPad miniが売れるほどAppleの利益率は低下していくと伝えている。

 なおこれに先立ち市場調査会社のDisplaySearchが、2013年におけるiPadの出荷台数を予測していたが、同社の予測値はiPadとiPad miniのいずれも今回のDigiTimesの報道と一致している(関連記事:2013年1月のタブレット向けディスプレイの出荷枚数、7インチ型伸びるも9.7インチが激減)。