写真1●CeBIT2013で講演する米マイクロソフト最高執行責任者(COO)のケビン・ターナー氏
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写真2●エコシステム全体をタッチ対応へ
写真2●エコシステム全体をタッチ対応へ
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写真3●ジョブズ氏やクック氏の見方とは異なる「PC新時代」を宣言
写真3●ジョブズ氏やクック氏の見方とは異なる「PC新時代」を宣言
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写真4●Office Mobileのマルチプラットフォーム展開
写真4●Office Mobileのマルチプラットフォーム展開
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 2013年3月5日からドイツ・ハノーバーで開催中の「CeBIT 2013」で行われたカンファレンスに米Microsoft最高執行責任者(COO)のケビン・ターナー氏が登壇(写真1)。同社のエンタープライズ向け製品群の最新状況を紹介するとともに、Windows 8による「PC新時代」の幕開けを宣言した。

 ターナー氏は、現在のMicrosoftの企業向け製品のラインナップを「クラウド」「ソーシャル」「モバイル」「ビッグデータ」の4つのカテゴリに分けて紹介。そのすべてに共通する新要素として「タッチ対応」を挙げた(写真2)。

 最新の数字として、2013年には新規アプリの80%以上、CIOの90%、そして大規模企業の100%が何らかの形でクラウドを利用することになると予測。マイクロソフトはパブリッククラウドとプライベートクラウドの両方に製品群をラインナップしており、「エンタープライズ向けのハイブリッドクラウドとして最高の製品群」(ターナー氏)と自信を見せた。

 スマートデバイスに対する劣勢が報じられがちなPCについては、故スティーブ・ジョブズ氏の「ポストPC時代が始まった」という2010年の発言や、アップルCEOティム・クック氏の「タブレットとPCは別物だと考えている」という2012年の発言を引用しつつ、「我々はそうは思わない」(ターナー氏)と真っ向から否定。「Windows 8こそPC新時代である」として、これからもPCが進化を続けていくことを改めて宣言した(写真3)。

 その具体的な例として、Windows 8の登場に合わせて爆発的に増加した様々なフォームファクターのPCを紹介。タブレット型、ノートPCとのハイブリッド型、デタッチャブル型といった新時代のPCにより、コンピューティングの生産性を飛躍的に高めることができると強調した。また、Intelのx86アーキテクチャだけでなく、ARMプラットフォームも採用している点や、自社のタブレット製品Surfaceで両方のプラットフォームを展開している点にも言及した(写真4)。

 その一方で、新Officeについてはマルチプラットフォーム展開に言及。Office 365によるPCやMacの垣根を越えた新しいライセンスモデルを紹介。モバイルについては、Windows PhoneにはOffice Mobileが標準搭載されているだけでなく、最新版のOffice Web AppsではAndroidやiPhone、iPad上でも快適にOffice文書を扱えるとアピールした。

 Windows XPについて、現在でも多くのエンタープライズ環境でWindows XPが稼働している点を指摘。「たしかにXPは優れたOSだ」と前置きした上で、2014年4月8日というサポート期限に言及。Windows 8や新しいOffice、Internet Explorer 10への移行を呼びかけた。