ベーカリーショップ「アンデルセン」や「リトルマーメイド」などを展開するアンデルセングループが、「流通BMS」規格を使うEDI(電子データ交換)システムを、パブリッククラウドの「Amazon Web Services(AWS)」に移行した。アンデルセンが使用する流通BMS製品「UJX」の開発や運用保守を担当するノーチラス・テクノロジーズが2013年3月6日に発表した。

 グループ内で情報システムを担当するアンデルセンサービス(関連記事)が、2012年9月にシステムをAWSに移行した。アンデルセンは2008年1月からUJXを利用する流通BMSシステムを運用し、これまではスーパーなどへのパンの販売業務に関して流通BMSを使用していた。今回、パンの原材料などの調達業務についても流通BMSを使用することにし、同時に流通BMSのシステム基盤全体をAWSに移行することにした。

 システム基盤をAWSに移行したのは、これまで利用してきたシステム基盤が老朽化してきたことに加えて、流通BMSの適用範囲の拡大に伴って接続先数や取引量の増加が見込まれたため。従来のシステム基盤は、ハードウエアが日本オラクル(当時はサン・マイクロシステムズ)のSPARCサーバーで、OSが「Solaris」、データベース(DB)には「Sybase」を使用していた。AWS上の新システムでは、OSは「Windows Server 2008」、DBは「Oracle Database」を使用する。

 AWS上の新システムの運用は、パッケージソフトの開発元であるノーチラスが担当する。従来はアンデルセンサービスが自社で運用していた。ノーチラス側では、システム障害などに備えたスクリプトをあらかじめ用意しておくことで、人手を介さないシステム運用を目指す。これらのスクリプトは、「Amazon EC2」の仮想マシンやストレージなどが備える管理用API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を呼び出すことで、管理マシンやストレージをリモートからコントロールする。

 なおノーチラスは同日の発表に合わせて、流通BMS製品であるUJXをAWS上で稼働するためのシステムインテグレーションサービスや、AWS上で稼働するUJXを24時間365日体制での監視するサービスなどの提供を発表している。