ドコモ・ヘルスケアは2013年3月6日、健康支援事業「WM(わたしムーヴ)」を4月1日に始めると発表した。スマートフォンやタブレット端末、測定機器などを組み合わせ、個々のユーザーに最適な健康管理を提案する点が特徴。2015年度に売上高で100億円、会員数で1000万人の獲得を目指す。

 ドコモ・ヘルスケアは、NTTドコモが66%、オムロンヘルスケアが34%を出資して2012年7月に設立した合弁会社。体重や血圧、歩数などのデータを蓄積・可視化するサービスは、NTTドコモが「ドコモヘルスケア」、オムロンヘルスケアが「ウェルネスリンク」の名称でこれまでも提供しており、既に40万人以上の会員を抱える。ドコモ・ヘルスケアはこれまでの両社の取り組みを進化させ、蓄積したデータの閲覧だけでなく、分析や予測の機能を加えることによってユーザーの快適なライフスタイルを提案するサービスを目指す。

 まず4月1日に無料で会員登録できる健康関連ポータルサイト「わたしムーヴ」を開設。「女性向け」「ダイエット」「睡眠がわかる」「運動」「からだがわかる」「血圧管理」の6ジャンル、16コンテンツの配信を始める。

写真1●婦人用電子体温計とスマートフォンをNFCで連携
写真1●婦人用電子体温計とスマートフォンをNFCで連携
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 続いて、女性の健康管理を支援する新サービス「カラダのキモチ」を6月1日に始める。同サービスではオムロンヘルスケア製の婦人用電子体温計「MC-642L」を使い、基礎体温を10秒で測定。NFC(近距離無線通信)でスマートフォンにデータを送信し、グラフ管理できるようにする(写真1)。基礎体温の変化から推測した女性の体や心の調子に合わせ、「ストレッチ」「アロマ」「食」「ファッション」「ビューティ」など10種類のカテゴリーに関するアドバイス(専門家が監修)も表示する。

 さらに体の不調を検知した場合は病院での受診を促し、東京海上日動火災保険との業務提携に基づき、一定条件を満たしたユーザーには女性疾病見舞金(5000円)や要精密検査見舞金(3万円)を支払う。利用料は月315円。ドコモショップで婦人用電子体温計の購入と同時に加入すると、利用料が最大3カ月無料になる販促策も展開する。当面はNTTドコモのスマートフォン向けだが、マルチキャリア展開も計画しているという。

写真2●わたしムーヴの事業展開
写真2●わたしムーヴの事業展開
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 今後は血圧計や体重体組成計などスマートフォンと連動できる測定機器を増やし、サービスを拡充していく(写真2)。

 例えば体重体組成計と連動したダイエット支援サービスを6月に始める予定で、オークローンマーケティングのダイエット商品と一緒に提案していく。10月開始予定の「ねむり時間計」を活用した快眠支援サービスでは、らでぃっしゅぼーやの食材とレシピを組み合わせた拡販も計画している。

写真3●説明会のもよう。写真左からNTTドコモの加藤薫社長、ドコモ・ヘルスケアの竹林一社長、オムロンの山田義仁社長
写真3●説明会のもよう
写真左からNTTドコモの加藤薫社長、ドコモ・ヘルスケアの竹林一社長、オムロンの山田義仁社長。
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 説明会に登壇したNTTドコモの加藤薫社長は、「食事、運動、睡眠・癒し、保険・医療などの各種サービスを相互に連携して提案していくことで、(わたしムーヴの売上高目標100億円を含め)2015年度に400億~500億円の事業規模に育てていきたい」との意気込みを示した(写真3)。

 オムロンの山田義仁社長も「測る技術には絶対的な自信があるが、ソリューションはこれまで十分に提供できていなかった。パーソナライズ化したサービスの提供は我々の夢で、今回のドコモ・ヘルスケアで実現できた。ゆくゆくは海外にも展開していきたい」と抱負を語った。