日本GEは2013年3月5日、世界の経営層を対象に実施した意識調査「GEグローバル・イノベーション・バロメーター」の結果を発表した。

 この調査は今回で3回目。調査の目的は、世界の経営層がもつイノベーションに対する意識を調べ、経営戦略との関係性を見出すこと。回答者は世界25の市場(国)の3100人の経営層で、GEによれば回答者の全員が企業でのイノベーション戦略に直接関与する立場の経営陣。

 以下、調査の一部を紹介する。「あなたの会社経営にとってイノベーションはどのような位置づけか」という主旨の質問に対して、日本の回答者の80%が「イノベーションは戦略的優先課題である」と位置づけた。

 一方、「戦略的な優先課題ではない」とした日本の回答者は20%(「あまり優先的な課題ではない」と回答した18%と「全く優先的な課題ではない」とした2%の合計)。この数値は世界各市場(国・地域)と比較して最も高いという。なお、他市場における「あまり優先的な課題ではない」の回答率は、米国が9%、ドイツが5%、韓国が5%、中国が6%。

 また、「当社は破壊的なイノベーション(全くこれまでに存在しない新製品・サービスを生み出すこと)を、これまで以上に取り組んでいる」という設問に対して、「同意する」とした日本の回答者は14%。この回答率も、調査対象市場の中で最下位だったという。同意するとした回答者の率が高い市場の上位3つは、韓国(62%)、シンガポール(49%)、サウジアラビア(44%)。

 一方、「イノベーションをもっとも牽引(けんいん)する国は」という設問については、回答者の多い順から米国(35%)、ドイツ(15%)、中国(12%)、日本(11%)、韓国(5%)。日本は上位5番中の4番目に位置している。また「各国について、どの程度イノベーション環境が整備されていると思うか」という設問でも、日本はドイツ、米国に続いて3番目と上位だった。つまり、世界の経営層は日本を高く評価していると解釈できる。