日立システムズは2013年3月5日、ラック型データセンター(マイクロデータセンター)のグローバル対応モデルを発売し、本日からタイでの販売を開始すると発表した。4月からはシンガポール、マレーシア、インドネシアでも販売する。

 マイクロデータセンターは、サーバーなどのIT機器と空調ユニット、無停電電源装置(UPS)など、データセンター設備一式を密封したサーバーラック型の製品(写真)。屋内に設置して商用電源と接続するだけでデータセンターとして稼働できる。ノンドレン方式の空調のため、排水パイプ工事も不要だ。

写真●日立システムが販売するマイクロデータセンターのグローバル対応モデル
写真●日立システムが販売するマイクロデータセンターのグローバル対応モデル

 グローバル対応モデルでは高温多湿の東南アジアを想定して空調能力を高め、気温摂氏45度にも耐えられる設計にした。加えて、空調ユニットを二重化した。日本国内向け製品は設計上の気温は摂氏35度が上限で、空調ユニットは1系統だった。このほか、入力電圧を進出する東南アジア地域に合わせた単相220~240Vとした。

 生産はタイの現地パートナーで実施する。「具体的な社名は公開していないが、空調機などを扱っている企業」(日立システムズ広報)という。現地生産に加えて、日立物流との連携で低コスト化を図っている。販売価格は日本円換算で90万円から。ただし「搭載するサーバー台数などで大きく変わる」(日立システムズ広報)。