米IDCが現地時間2013年3月4日に公表した市場推計によると、同年1年間における世界のスマートフォン出荷台数は9億1860万台で、携帯電話の全出荷台数に占める割合が50.1%と、初めて半数を超える見通し()。スマートフォンの出荷台数は今後も伸び続け、2017年には15億1610万台と、携帯電話全体の3分の2を超えると同社は予測している。

図●携帯電話出荷台数に占めるスマートフォンの割合(出所:米IDC)
図●携帯電話出荷台数に占めるスマートフォンの割合(出所:米IDC)
エトキ

 IDCによると、これまで世界のスマートフォン市場をけん引してきたのは米国をはじめとする先進国市場。だが今後はまだ利用者数が比較的少なく、高い経済成長が見込まれる新興国市場が伸びていく。とりわけ今後5年間で中国、インド、ブラジルにおける出荷台数の比率が高まっていくという。

 IDCが予測する2013年の国別スマートフォン出荷台数は、中国が3億120万台で最も多く、米国が1億3750万台でこれに次ぎ、この後、英国の3550万台、日本の3520万台、ブラジルの2890万台、インドの2780万台となる。これが2017年には中国、米国に次いでインドが3位になり、ブラジル、英国、日本の順になるという()。

表●スマートフォンの出荷台数と国別市場シェア(出荷台数の単位は百万台、出所:米IDC)
国名2013年の出荷台数2013年の市場シェア2017年の出荷台数2017年の市場シェア2013年から2017年の出荷台数伸び率
中国301.232.8%457.930.2%52.0%
米国137.515.0%183.012.1%33.1%
英国35.53.9%47.53.1%33.8%
日本35.23.8%37.72.5%7.1%
ブラジル28.93.1%66.34.4%129.4%
インド27.83.0%155.610.3%459.7%
その他352.538.4%568.137.5%61.2%
合計918.6100.0%1516.1100.0%65.0%

 この中で最も成長率が高いのはインド。2013年から2017年にかけての同国における出荷台数伸び率は459.7%となるという。ブラジルも129.4%という高い伸び率で成長していくとIDCは見ている。中国の同期間における伸び率は52.0%と比較的低いが、2017年の出荷台数は4億5790万台となり、米国との差を広げるとしている。

 なおIDCが先に公表していた2012年におけるスマートフォンの世界出荷台数は7億1260万台で、前年比44.1%増だった。一方、2013年の予測は9億1860万台で、前年比約29%増にとどまるとの見通しだ(関連記事:2012年Q4の世界スマホ出荷台数、Samsungが6000万台を突破、シェア29%に)。

[発表資料へ]