写真●福島県浪江町内でのGoogleストリートビュー撮影の様子(提供:Google)
写真●福島県浪江町内でのGoogleストリートビュー撮影の様子(提供:Google)
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 グーグル日本法人は2013年3月4日、同日から福島県浪江町内で「Googleストリートビュー」の撮影を開始したと発表した(写真)。数週間程度かけて撮影を進め、数カ月後にGoogleストリートビューのサービス上で街路の写真を全世界に公開することを目指す。

 浪江町は、福島第一原発事故発生から2年が経過した現在でも、全域で立ち入りが制限されている。町域の半分が福島第一原発から20キロ圏内に当たる「警戒区域」に指定され、残り半分が「計画的避難区域」になっており、約2万1000人の全町民が町外に避難している。グーグルは浪江町役場など関係当局の許可を得たうえで、国・自治体のガイドラインに沿って、ストリートビュー撮影専用車を走らせて撮影を行う。

 馬場有町長はグーグルが公開したビデオの中で、「多くの町民の間で、ふるさと浪江の姿を見たい、知りたいという声が強くなっている。また、世界にも原発事故の悲惨な状況が知りたいという方がいる。ストリートビューで撮影・公開することで、多くの町民の皆さんに街の様子をお知らせし、世界にありのままの浪江町を発信していきたい」と述べている。

 福島第一原発事故で立ち入りが制限されている区域にストリートビューのカメラが入るのは、今回が初めて。グーグル広報部は「浪江町の事例を契機に、他の自治体からも許可をいただけるのであれば、撮影範囲を広げていきたい」と説明している。

[グーグルの発表資料]
[福島県浪江町長からのメッセージ(YouTubeビデオ)]