写真1●講演するNECの保坂岳深執行役員(写真:井上裕康)
写真1●講演するNECの保坂岳深執行役員(写真:井上裕康)
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●保坂執行役員は分析エンジンを生かした「予知・予測」の重要性を強調(写真:井上裕康)
写真2●保坂執行役員は分析エンジンを生かした「予知・予測」の重要性を強調(写真:井上裕康)
[画像のクリックで拡大表示]

 NECでビッグデータ関連事業を担当する保坂岳深執行役員は2013年2月28日午前、都内のホテルで講演し、「当社は独自の研究開発を基に、世界トップレベルの分析エンジン群を持つ。これをビッグデータ事業の拡大に生かしていく」と話した。

 日経BP社が主催するイベント「Cloud Days Tokyo/ビッグデータEXPO/スマートフォン&タブレット」(2月27~28日)のセミナーで、「企業競争力強化に向けたビッグデータ活用とは」と題して講演した(写真1、2)。

 保坂執行役員は講演のなかで、NECが持つビッグデータ関連の基礎技術(関連記事)について、多くの時間を割いて説明した。具体的には「インバリアント分析」「異種混合学習」「行動分析」「テキスト含意認識」「顔画像解析」の5つを挙げた。

 インバリアント分析とは、大量に蓄積した時系列のログデータから「普段の動き」のモデルを自動作成し、普段の動きから外れた「異常な動き」を検知する技術である。工場設備の異常検知や、自動車の予防保守などに応用できる。普段の動きは経験と勘ではなく、あくまでもデータを基に導き出すので、該当する分野や業務に関する専門知識を持たなくても、有意な結果を得られるのが特徴だという。

 次いで異種混合学習技術(関連記事)は、インバリアント分析を発展させたもの。特定分野の時系列ログに、多種雑多なデータを組み合わせて有意な結果を導出する。NECが小売業と組んで実施した実験では「気温」「売り上げ数」といった時系列データと、「天気」「話題になっている商品」「その商品の賞味期限」といった異種のデータを組み合わせて、精緻な販売数量予測モデルを作成。商品廃棄ロスを従来よりも3~5割削減するといった成果が出たという。