写真●デル エンタープライズ・ソリューションズ統括本部エンタープライズ・プロダクトセールス本部の小島由理夫本部長(写真:井上裕康)
写真●デル エンタープライズ・ソリューションズ統括本部エンタープライズ・プロダクトセールス本部の小島由理夫本部長(写真:井上裕康)
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 デル エンタープライズ・ソリューションズ統括本部エンタープライズ・プロダクトセールス本部の小島由理夫本部長(写真)は、2月27~28日に都内で開催中の「Cloud Days Tokyo 2013」(主催:日経BP社)で講演を行い、今後のプライベートクラウドの構築においては、ストレージの仮想化が重要になるとの見通しを示した。

 小島氏が指摘するストレージの仮想化とは「SSD」「毎分1万5000回転のハードディスクドライブ(HDD)」「毎分7200回転のHDD」といった、価格帯と性能が異なるストレージデバイスを仮想的に1つに統合し、データを「読み書き頻度」といった特性に応じて、最適なデバイスに配置するという技術である。

 具体的には、デルが買収した「Compellent Technologies」の技術を元にした「フルイド・データ・アーキテクチャー(Fluid Data Architecture)」と呼ぶ自動階層化ストレージ技術を指す。

 フルイド・データ・アーキテクチャーでは、SSDやHDDといった異なるデバイスによって1つのストレージのリソースプールが作られており、データは数キロバイトのブロック単位でデバイス間を自由に移動する。

 これによって「頻繁に利用するデータは高価で高速なデバイスに置き、利用頻度の少ないデータは安価で低速なデバイスに置く」(小島氏)という、性能とコストパフォーマンスを両立させたストレージが実現する。

 このようなストレージ仮想化技術がプライベートクラウドに必要なのは、プライベートクラウドにおいては様々な特性を持ったデータが、1つのストレージリソースプールに混在することになるからだ。ユーザーがデータ配置の最適化を行うのではなく、ストレージ側が最適化を自動的に行うことで、コスト効率の高いストレージ運用が可能になるとする。

 小島氏は、同社がフルイド・データ・アーキテクチャーを採用したストレージを販売する方式にも工夫を加えている点を指摘した。

 例えば、ユーザー企業がストレージを購入する際に、デルがストレージの「IOPS(1秒当たりのI/O件数)」を保証する「パフォーマンスギャランティ」という販売方法では、購入したストレージが保証IOPSを満たさなかった場合、保証するIOPSを満たすためのリソース追加をデルが無償で行う。

 「トライ&バイ」という販売方式では、実環境でストレージ装置を使ってみて、期待する性能が出なかった場合は、ストレージ装置を返却できる。デルとしては、このような販売方式を採用することで「顧客が安心してストレージ投資を行えるようにしている」(小島氏)とした。