写真1●「enchantMOON」を手にするユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEOの清水亮氏
写真1●「enchantMOON」を手にするユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEOの清水亮氏
[画像のクリックで拡大表示]

 2013年2月25日から28日までスペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress(MWC2013)」では大手メーカー製スマートフォンやタブレットだけでなく、様々なメーカーの製品を見ることができる。そうした中で異彩を放っているのが、MWC2013に単独出展しているユビキタスエンターテインメント(UEI)が開発中の「enchantMOON」だ(写真1)。

 enchantMOONは、UEIが開発した独自OS、独自ユーザーインタフェースを採用したタブレットで、その外観も他の製品とは一線を画す。ハンドルの付いたマグネシウム合金製きょう体を採用。素早い手書きペン入力が可能で、ブース内ではその表現力をiPadと比較することもできる。また、手書き入力された情報を含め、コンテンツはすべて検索対象となり、それらはローカルの他のコンテンツからインターネット上のコンテンツまでシームレスにリンクすることが可能だ。

 UEI代表取締役社長兼CEOの清水亮氏は、こうした製品を実際に分かってもらうのは難しいという。MWCの出展に先立つ今年1月にはCESにも出展しており、その際はenchantMOONを「Hypertext Authoring Tablet」と表現していた。だが、Hyptetextという用語から受ける印象が、HTMLが当たり前に使われるようになった世代と、それ以前にコンピュータカルチャーの洗礼を受けた世代とでは異なるという。

 また、日本の業界内では清水氏の取り組みが知られており、説明が不要な場面もあるが、海外ではそうした“あうん”の呼吸によるコミュニケーションは通用しない。改めてコミュニケーションを構築する必要がある。実際、こうした行動を通して、清水氏は「enchantMOONの説明に対しては、『Note Taker』という言い方が英語圏では分かってもらえるようだ」と述べる。こうした感触を得るためにも、世界的なモバイルの展示会であるMWCに同社が出展する意義があるという。