触った位置に画像のフォーカス位置を瞬時に変更するデモ
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マルチフォーカスの画像データを撮影するためにタブレットには16個のセンサーが付いたカメラを搭載
マルチフォーカスの画像データを撮影するためにタブレットには16個のセンサーが付いたカメラを搭載
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Snapdragon 800の4つのコアがそれぞれ動作周波数を個別に切り替えている様子
Snapdragon 800の4つのコアがそれぞれ動作周波数を個別に切り替えている様子
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キャリアアグリゲーションで145Mbpsの速度を出しているところ
キャリアアグリゲーションで145Mbpsの速度を出しているところ
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基地局の電波を制御することで、エリア全体のスループットを上げるHetNet技術。クアルコムの米国本社で実際に通信している様子をリアルタイムで見せていた
基地局の電波を制御することで、エリア全体のスループットを上げるHetNet技術。クアルコムの米国本社で実際に通信している様子をリアルタイムで見せていた
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 半導体大手の米クアルコムは、2013年2月25日から開催されているモバイル関連の展示会「Mobile World Congress 2013」のブースでスマートフォン向けの統合チップ「Snapdragon 800」の活用例を展示した。次世代の通信方式「LTE-Advanced」の通信技術もデモしている。

 Snapdragon 800は同社が1月に発表した高機能スマートフォン向け統合チップ。クアッドコアCPUやグラフィックスやLTEの通信機能を内蔵する。

 Snapdragon 800の処理性能を活用するための例としては、マルチフォーカスの画像処理技術を見せた。タブレットが備える16個のセンサーを持つカメラで撮影した映像データを分析し、写真をタッチすると焦点が合う位置を自由に変更できる。画像データの焦点の位置を変更する処理に高い処理性能が必要なのだという。

 Snapdragon 800が内蔵する音声認識機能のデモでは、スピーカーから流れる音声に合わせて、その言葉の文字をグーグルの検索をする様子を見せた。Snapdragon 800は省電力の機能も備えており、バッテリー消費を低減するために4つのCPUコアのうち、使っていないコアの動作周波数を自動的に落とす機能を備えている。動画を再生しながらそれぞれのコアの動作周波数が変化する様子をデモした。

 クアルコムはLTEの通信で最大150Mbpsの速度に対応した新型のモデムチップも展示した。同チップは、離れた周波数帯の電波を束ねて通信することで高速化する「キャリアアグリゲーション」と呼ばれるLTE-Advancedの技術に対応。この技術を使い、約145Mbpsの通信速度を実現するデモを実演した。

 このほか、通信事業者が基地局を運用するための技術としてエリア全体のスループットを上げるための「HetNet」と呼ばれる技術をデモした。これもLTE-Advancedで新たに加わる技術の一つだ。カバー範囲が広い基地局のエリア内に、カバー範囲が狭い基地局のエリアが重なってしまった場合に、それぞれが電波を発信するタイミングを切り替えることで混信を防ぎ、通信の効率を高めるという。