写真1●会見に臨んだTizen Associationの中心メンバー
写真1●会見に臨むTizen Associationの中心メンバー。左から4番目は議長を務めるNTTドコモ取締役執行役員マーケティング部長の永田清人氏
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 オープンソースのモバイルOSである「Tizen(タイゼン)」のビジネス展開を推進するTizen Associationは現地時間2013年2月26日、スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2013」に合わせ、Tizenの現況や今後の展開などを説明(写真1)、Tizen Associationの議長であるNTTドコモ取締役執行役員マーケティング部長の永田清人氏らは、年内にNTTドコモやフランステレコム傘下のオレンジがTizenを搭載するスマートフォンの提供を検討していることを明らかにした。

写真2●韓国サムスン電子製のスマートフォンで動作デモを実施
写真2●韓国サムスン電子製のスマートフォンで動作デモを実施
写真2●韓国サムスン電子製のスマートフォンで動作デモを実施。HTML5で作られたゲームのデモなどを披露した
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写真3●Tizenで使えるアプリを集めた「TIZEN STORE」のデモ
写真3●Tizenで使えるアプリを集めた「TIZEN STORE」のデモ
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 説明会では、18日に開発キット(Tizen 2.0 Magnolia SDK)とソースコードが開発者に提供されたばかりのTizen 2.0(Tizen Mobile)を用いた実機デモも実施(写真2)。デモには韓国サムスン電子製の端末が使われ、「TIZEN STORE」のデモなども披露された(写真3)。

 こうしたアプリストアも特定のメーカーが運営するのではなく、自由に誰もが展開できると説明。対応アプリケーションについてもHTML5によるアプリの主流となるため、既に数千近いアプリが存在すると述べた。また5月に米国のサンフランシスコで開発者会議を開催することなども明らかにした。

 Tizenは、その開発のベースとなったプラットフォーム「SLP(Samsung Linux Platiform)」の存在から、韓国サムスン電子の“色”が強いとの見方をされることもある。だが、Tizen Associationの議長であるNTTドコモの永田清人氏は、Linux Foundationが技術面を担っているTizenは真のオープンOSであると強調。その技術開発を担う中心メンバーとして、中国のファーウェイが加わったことで、これまでに以上に特定のベンダーによらないOSになったと説明した。またサムスン電子が別途展開するスマートフォンOS「Bada」との統合について、サムスン電子のシニアバイスプレジデントのHankil Yoon氏はこれまで通り別々に進めていくとした。

写真4●ファーウェイ・デバイス会長兼コンシューマー向け事業最高経営責任者のリチャード・ユー氏(左)とNTTドコモ取締役執行役員の永田清人氏
写真4●ファーウェイ・デバイス会長兼コンシューマー向け事業最高経営責任者のリチャード・ユー氏(左)とNTTドコモ取締役執行役員の永田清人氏
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 会場には、ファーウェイ・デバイス会長兼コンシューマー向け事業最高経営責任者のリチャード・ユー氏も姿を見せ(写真4右関連記事)、Tizen Associationのオープン性をアピールするのに一役買った。Tizenは、Firefox OS(関連記事)とともに、米アップルのiOS、米グーグルのAndroidに対抗する“第3極”ととらえられている。2013年はこれら新OSがスマートフォン市場やモバイルビジネスに与える影響に注目が集まる。