CA Technologiesは2013年2月26日、データバックアップソフト製品群の新版「CA ARCserve r16.5シリーズ」を発表した。3月14日に出荷する。新版では、データの保存先となるクラウドストレージを拡充し、新たにCloudianベースのクラウドストレージにデータを保存できるようにした。

 今回の新版では、製品群全体を通して、データの保存先として選択できるクラウドストレージの種類を拡充したほか、バックアップ対象のOSを拡大した。

 前バージョン「r16シリーズ」では、クラウドストレージとして、「Amazon S3」と「Windows Azure」(およびAzureベースで富士通が提供する「Fujitsu Global Cloud Platform」)の2種類を利用できていた。今回これに加えて、Amazon S3互換の「Cloudian」を正式に使えるようにした。Cloudianベースの国内サービスには「ニフティクラウドストレージ」や「Bizホスティング・クラウド・エヌObject Storage」などがある。

 管理対象OSについては、新たにWindows Server 2012環境をバックアップできるようにした。Windows Server 2012で利用できる機能の例として、NTFSの重複排除機能、NTFS後継ファイルシステムの「ReFS」(Resilient File System)、Hyper-V 3.0のファイル形式「VHDX」、などを利用できる。

レプリケーションとイメージバックアップを用意

 なおARCserveには、用途に応じて三つの製品カテゴリーがある。基本となるファイルバックアップソフトが「ARCserve Backup」。これに対して、遠隔レプリケーションソフトが「ARCserve Replication」(関連記事)と、上位の「ARCserve High Availability」、イメージバックアップソフトが「ARCserve D2D」である。

 今回、ARCserve Replication/ARCserve High Availabilityについて、Hyper-V環境のレプリケーション/災害復旧機能を強化した。例えば、遠隔拠点にあるレプリケーション環境へと処理を切り替えた際に、IPアドレスなどのネットワーク設定の情報を自動的に反映するようにした。また、ARCserve D2Dとの連携を強化し、イメージバックアップの待機系サーバーを仮想サーバーとして用意する際に、これを遠隔拠点に配置できるようにした。

 参考価格(税別)は、以下の通り。サーバー単位のライセンスの場合、ARCserve Backupは15万円から。ARCserve Replicationは19万8000円から(ファイルサーバー専用版は9万8000円から)。ARCserve High Availabilityは39万8000円から(ファイルサーバー専用版は22万8000円から)。ARCserve D2Dは8万円から。

 サーバー単位のライセンスとは別に、データ量単位のライセンスも用意している。ARCserve r16.5シリーズのすべての機能が含まれる「ARCserve r16.5 RPO RTO Managed Capacity」は、1Tバイト当たり167万4000円から。機能下位の「ARCserve r16.5 RPO Managed Capacity」は、1Tバイト当たり95万4000円から。