写真1●3社による無線LANローミングの仕組み。WBAのNGHの仕様に基づいている
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写真2●世界最大の携帯電話事業者である中国移動の無線LANアクセス・ポイント数。AP数もケタ違いだ
写真2●世界最大の携帯電話事業者である中国移動の無線LANアクセス・ポイント数。AP数もケタ違いだ
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 スペイン・バルセロナで開催中の「Mobile World Congress 2013(MWC 2013)」で、NTTドコモと韓国KT、中国移動が共同でブースを出展し、3事業者間の無線LANローミングの取り組みをアピールしている。

 今回の3社の取り組みは、無線LANに関する業界団体である「Wireless Broadband Alliance(WBA)」が取り決めた次世代の無線LANローミング仕様「Next Generation Hotspot(NGH)」に基づいている(関連記事)。NGHは、端末のSIMをベースにした認証を用いて、ユーザーにパスワード入力などをさせることなく自動的に無線LANに接続できる仕組み。さらに「WRIX」という仕様に基づいて、事業者間のローミング費用を精算する形になっている。

 ローミング費用の精算については、3社の戦略的な合意に基づいて中国移動の子会社であるチャイナモバイルインターナショナルがWRIXのハブ事業者として国をまたいだローミングを可能にする枠組みを構築した。3社は2013年第2四半期(4~6月)にかけて、サービス提供開始を目指すとしている。

 この3社による無線LANアクセス・ポイント数は、NTTドコモが約12万(2013年4月における目標)、韓国KTが約20万、中国移動が約356万(2015年までに600万を目標)と、かなりの規模を誇る。WBAのNGHが、ようやく商用化フェーズに入ってきたと言えるだろう。

 なおドコモによると、既にNGHに基づいた無線LANインフラは構築済みだが、今回のサービスはあくまで国外から同社の無線LANアクセス・ポイントに接続するローミングインのケースに限られる。国内ユーザー向けのSIMベース認証の仕組みの導入は「現在準備中」(ドコモ)としている。

 SIMをベースにした無線LANアクセス・ポイントへの接続の簡易化は、ソフトバンクモバイルとKDDIが2012年秋に相次いで開始している(関連記事)。

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