米Nielsenは、現地時間2013年2月25日に世界の携帯電話利用実態調査の結果を公表した。それによると、中国や韓国といったアジアの経済大国や、オーストラリアやイタリア、英国といった先進国市場では、スマートフォンの普及率が6割を超えている。一方で、インドやトルコなどの新興国市場では、フィーチャーフォン(従来型携帯電話)が依然として根強い人気があることが分かった。

 各国のスマートフォン所有者の割合を見ると、韓国が67%で最も多く、これに中国の66%、オーストラリアの65%、イタリアの62%、英国の61%と続いた。これに対しインドは10%、トルコは19%だった。インドにおけるフィーチャーフォン割合は80%に上り、Nielsenが「マルチメディアフォン」と定義するタッチスクリーンやQWERTYキーボードを備えるが、高機能なOSを備えない端末の割合は9%だった。トルコでもフィーチャーフォンは67%と多く、マルチメディアフォンも20%と高い割合になっている。

 この調査は、Nielsenが2012年4~6月の期間に、10カ国(オーストラリア、ブラジル、中国、インド、イタリア、ロシア、韓国、トルコ、英国、米国)の携帯電話利用者7万6204人を対象にインタビューを行い、結果を集計した。日本は対象に含まれていない。

 これによると、インド、トルコに次いでフィーチャーフォンの割合が高かったのはロシア(51%)で、この後ブラジル(44%)、米国(38%)と続いた。米国のスマートフォンの割合は53%と半数を超えているが、ほかの先進国と比べると低い水準となっている。

 Nielsenによると、多くの国でスマートフォンは新生代の顧客である若年成人を中心に普及が拡大する傾向にある。ただし、インドやブラジル、ロシアなど、スマートフォンや次世代モバイル端末向けのネットワークインフラが大都市圏以外で整備されていない国々では、フィーチャーフォンが好まれる傾向にある。

[Nielsenの発表資料]