写真1●商用ビルド版のFirefox OS<br>会場内ではZTEとアルカテル製の端末でデモが実施された。
写真1●商用ビルド版のFirefox OS
会場内ではZTEとアルカテル製の端末でデモが実施された。
[画像のクリックで拡大表示]

 米Mozillaは現地時間2013年2月23日、スペインのバルセロナで開催する「Mobile World Congress 2013」の開幕前日に当たるこの日にプレスカンファレンスを開催し、開発を進めるモバイルOS「Firefox OS」の商用ビルド版を公開した(写真1)。

 またスペインテレフォニカやテレコムイタリア、ドイツテレコム、KDDIなど世界の大手携帯電話事業者18社がFirefox OSの取り組みに賛同し、同OSを搭載したスマートフォンの展開を進める考えを示した。

 Firefox OSを搭載した端末は、2013年半ばにはブラジル、コロンビア、ハンガリー、メキシコといった国々で商用展開されるという。端末メーカーとしてはこれまで表明していた中国ZTEなどに加えて、仏アルカテル、韓国LG電子、中国ファーウェイが新たに端末の提供を表明。全体的に第3のモバイルOSとしてのFirefox OS陣営の勢いを感じさせるカンファレンスとなった。

世界の有力キャリアのCEOが続々とサポートを表明

写真2●Mozilla Corpartionのゲイリー・コバックスCEO
写真2●Mozilla Corpartionのゲイリー・コバックスCEO
[画像のクリックで拡大表示]

 Firefox OSはすべてのアプリケーションをWeb技術であるHTML5、JavaScript、CSSで構成する仕様になっている。そのためJava VMなどの中間レイヤーを含まず、カーネルの上に直接Webエンジンを積むシンプルなアーキテクチャとなるのが特徴だ。また「他のスマートフォン向けOSとは異なり、完全にオープンで誰もが自由に参加できるプラットフォーム」(Mozillaのゲイリー・コバックスCEO、写真2)である点も特徴となる。

 米アップルや米グーグルによる制約が残るiOSやAndroidとは異なり、通信事業者などが直接アプリマーケットを運営できる自由度の高さも利点としている。コバックスCEOは「オープンなWebの発展のためには、モバイルの分野でも変革が必要」と訴えた。