写真●講演する大阪ガスの河本薫情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長
写真●講演する大阪ガスの河本薫情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長
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 「ビジネスアナリシス実践講座」(日経情報ストラテジー主催)が2013年2月22日、都内で開催された。大阪ガスの河本薫情報通信部ビジネスアナリシスセンター所長(写真)や共通ポイント「Ponta」を運営するロイヤリティマーケティング(東京・渋谷)の長谷川剛社長らが登壇。ビッグデータを分析し、社内外のイノベーションにつなげる「データサイエンティスト」による組織強化の手法を披露した。150人を超える聴衆は講演者の話に熱心に聞き入っていた。

 大阪ガスの河本所長は、データサイエンティスト10人が所属するビジネスアナリシスセンターの取り組みを語った(関連記事)。ビジネスアナリシスセンターではガス機器の修理に出向く担当者が顧客宅に持ち込む部品を予測したり、緊急車両の出動体制をシミュレーションをするシステムを開発したりして、社内や関係会社の業務効率化に貢献している。

 河本所長はデータサイエンティストに一番必要なのは「見つける力(問題発見力)」としたうえで、「データ側からではなく、ビジネス側から発想すべきだ」と強調した。

 ロイヤリティマーケティングの長谷川社長は5000万人以上の会員を持つPontaのデータを分析し、提携先のマーケティングを支援する組織「LAL」などについて語った。LALには数学や臨床心理学の修士号といったように、それぞれ専門分野を持つデータサイエンティスト20人ほどが所属する(関連記事)。長谷川社長は「ひとりよがりの分析ではいけない」と話し、LALのデータサイエンティストに営業部門で経験を積ませるなど、人事交流を進めていることを明かした。

 そのほか、セミナーにはネットイヤーグループの石黒不二代社長兼CEO(最高経営責任者)や野村総合研究所の柿木彰ビッグデータビジネス推進室長が登壇し、自社の事例を踏まえながら、データサイエンティストの重要性を指摘した。