世界最大級のモバイル関連展示会「Mobile World Congress(MWC) 2013」が、間もなくスペイン現地時間の2013年2月25日に開幕する。会期は2月25日~28日の4日間。今年は昨年までの会場「Fira Montjuic」から南西に4キロメートルほど離れた新たな会場「Fira Gran Via」(写真1)に移っての開催となる。会場の広さはほぼ2倍となり、各出展ブースやカンファレンス会場も規模が拡大。昨年の実績である6万5000人を超える来場者が見込まれている。

写真1●新たな会場となる「Fira Gran Via」に場所を移しての開催
写真1●新たな会場となる「Fira Gran Via」に場所を移しての開催
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グーグル不在に対し、第3のモバイルOSが存在感を示すか

 MWC 2013の目玉の一つになりそうなのが、Android、iOSに次ぐ“第3のモバイルOS”を狙う勢力「Tizen」「Firefox OS」などの動きだ。いずれの団体も今回のMWCにおいて大規模なプレスカンファレンスを予定しており、本格的な展開に向けたアナウンスがされる可能性が高い。

 「Tizen」は、韓国サムスン電子、米インテルが中心となって開発を進め、Tizen Associationがビジネス展開を推進するモバイルOS。モバイル向けのTizen Mobile(Tizen 2.0)と車載向けのTizen IVIの二つの流れが存在しており、前者はサムスン電子のプラットフォーム「SLP(Samsung Linux Platoform)」をベースにしており、後者はインテルを中心としたMeeGo 1.2をベースにしている。LiMo Foudationの資産も取り組んでおり、その流れからかTizen Associationには日本からもNTTドコモやNEC、パナソニック、富士通が参加している。

 HTML5を利用したWebアプリを全面的に採用するが、パフォーマンスが要求されるアプリケーションに対してネイティブアプリもサポートしている。現時点でTizen Mobileを採用した端末は登場していないが、2013年2月18日にTizen Mobile 2.0の正式版SDK(ソフトウエア開発キット)が公開されており、今回のMWCで搭載端末や通信事業者による採用が明らかになる可能性がある。