写真●高度化C-RANアーキテクチャの説明
写真●高度化C-RANアーキテクチャの説明
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 NTTドコモは2013年2月21日、2015年度中にも実用化を目指しているLTE-Advancedの展開に向けて、新型の基地局装置の開発に取り組むと発表した。高密度基地局装置というもので、広域なエリアをカバーするマクロセルの中に局所的なスモールセルを追加(アドオンセル)してエリアを形成するのに用いる。

 ある周波数のマクロセルの中に、異なる周波数のスモールセルを配置して、LTE-Advancedの要素技術であるキャリアアグリゲーション技術によって局所的に周波数帯域を広げたエリアを混在させる構成を、NTTドコモでは「高度化C-RAN(Centralized Radio Access Network)アーキテクチャ」と呼ぶ(写真)。このアーキテクチャにより駅や大型商業施設など人が集中しやすく通信量が増えるエリアではスモールセルの追加分で無線容量を確保し、さらにマクロセルも束ねていることで移動中の接続性も維持できるという。

 こうしたネットワークを柔軟に構築するために必要となるのが、多くのリモート無線装置(子局)を束ねて制御する高密度基地局装置である。今回開発を発表した高密度基地局装置は最大48台の子局を収用できる。LTE-Advancedの最大理論速度は周波数帯域100MHz幅、8×8MIMOを適用した場合の3Gbpsだが、実際に連続した100MHz幅を確保することは難しいため、複数の周波数を束ねるキャリアアグリゲーション技術が必要となる。

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