伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は2013年2月21日、伊藤忠商事と共に、米IT大手「Computer Sciences Corporation(CSC)」のシンガポールおよびマレーシア子会社を買収すると発表した。買収総額は9000万ドル(約84億円)で、CTCはそのうちの6300万ドル(約59億円)を拠出する。CSCとは二つの子会社の全株式を取得することで合意しており、3月初旬までに手続きを完了する。CTCはASEANのおける顧客基盤を獲得すると同時に、自社のクラウド技術やネットワーク関連技術を移転することで現地顧客の新規獲得を狙う。

 今回買収したのは、CSCのシンガポール子会社「CSC Automated」とマレーシア子会社「CSC ESI」の2社。2013年3月期の売上高は、両社合計で1億8000万ドル(約168億円)を見込む。現地の大手銀行や保険会社向けのシステムインテグレーションに強みを持つ。CSC Automatedは約100人、CSC ESIは約600人の従業員を抱える。

 CTCは両社に対し、クラウドや通信関連の技術移転を進め、既存顧客に加えて新規顧客の開拓にも取り組む。CSC Automatedは、サーバー製品の拡充やネットワークインフラ技術を強化し、政府系案件の獲得を目指す。CSC ESIは業務系ソリューションを充実させ、幅広い業種からの受託を狙う。伊藤忠商事は両社の経営管理などに携わる。

 CTCは2011年4月にシンガポールに支社を開設。ASEAN全域を対象に、ネットワークやサーバー構築といったITインフラ導入や保守運用サービスを提供している。今後、買収した2社との連携を探っていくという。