写真●Adaptec SAS/SATAホストバスアダプタ(HBA)ファミリの外観
写真●Adaptec SAS/SATAホストバスアダプタ(HBA)ファミリの外観
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 ピーエムシー・シエラ・ジャパンは2013年2月21日、サーバー機にローカルストレージ接続用のSAS/SATAポートを追加するI/O拡張カードの新製品「Adaptec SAS/SATAホストバスアダプタ(HBA)ファミリ」(写真)を発表した。同社の主力製品とは異なり、RAID機能を備えない点が特徴。2013年第2四半期に出荷する。開発会社は、米アダプテック(Adaptec)を買収した米ピーエムシー・シエラ(PMC-Sierra)。

 SAS/SATAドライブを接続するためのI/O拡張カード。サーバー機のPCI Expressバスに装着して利用する。形状は、高さが低いロープロファイル型。搭載ポート数や付加機能に応じて全部で3モデル(8製品)を用意している。価格はオープンだが、米国内における希望小売価格は、内部8ポートの「7805H」が250ドル、外部16ポートで暗号化機能を備えた「70165H」が500ドルなど。

 同社の主力製品との最大の違いは、RAID機能を備えないことである。SAS/SATAポート数は最大16ポートとRAIDカードと同等だが、これらのポートをRAID構成で束ねて使うことはできない。このため、複数の仮想サーバーがそれぞれ別のドライブにアクセスする用途や、アプリケーション側でRAIDを組む用途など、I/Oカード上でのRAID機能が必要ない用途に適する。I/O処理性能は、同社のRAIDカード(SSD 16台のRAID 0で1秒当たり45万I/O)を超え、512ブロックで1秒当たり100万I/Oを処理できるとしている。

 上位製品はデータ暗号化機能「maxCrypto」を備える。ドライブに書き込むデータを、個々のSAS/SATAカードに固有の鍵で暗号化する(AES 256)。この機能により、ドライブを廃棄する際にドライブ内のデータを消去する必要がなくなる。大量のサーバーを運用するデータセンターなどに適する。また、暗号鍵はカードから着脱可能なコネクターに書かれているため、カード自体が壊れても、別のカードに同じコネクターを挿せばデータを読み出すことができる。

 製品は、「7Hシリーズ」「7Heシリーズ」「6Hシリーズ」の大きく3シリーズで構成する。

 7Hシリーズは、現行世代のチップを採用してPCI Express 3.0の帯域を利用できる製品で、内部8/内部16/外部8/外部16ポートの4製品がある。7Heシリーズは、7Hシリーズに暗号機能を追加した上位製品。内部16/外部16ポートの2製品がある。6Hシリーズは、前世代のチップを採用してPCI Express 2.0の帯域を利用できる廉価版で、内部4/内部8ポートの2製品がある。