写真●JAXAが開発中の次世代固体燃料ロケット「イプシロンロケット」(JAXA提供)
写真●JAXAが開発中の次世代固体燃料ロケット「イプシロンロケット」(JAXA提供)
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2013年2月19日、昨年11月に発覚した職員のパソコンにおけるコンピュータウイルス感染事件(関連記事)に関する調査結果を公表した。職員は開発中の次世代固定燃料ロケット「イプシロンロケット」(写真)の関連業務に就いており、最先端技術漏洩の懸念があった。だが、JAXAは「当機構の事業の円滑な遂行に支障がないことを確認した」と結論づけている。

 調査結果によれば、ウイルスに感染したパソコン(端末)は1台で、それ以外への感染はないことを確認した。ウイルスに感染したのは東日本大震災発生直後の2011年3月17日で、震災関連をかたった「なりすましメール」が感染原因だった。

 その後、同日から2012年11月21日に発覚するまでの約20カ月間にわたって、外部の不正サイトへの通信が継続していた。通信量と通信内容は不明だが、「当該端末内の情報が外部に漏洩した可能性は否定できない」としている。

 そのうえで、パソコンに保存されていた全ファイルの詳細な調査を行い、「仮に外部に漏洩していたとしても当機構の事業の円滑な遂行に支障がないことを確認した」としている。また、機構の内部ネットワークに存在する他の情報が、感染パソコンを経由して漏洩した可能性についても「極めて低い」と説明している。

[宇宙航空研究開発機構の発表資料]