米アマゾン・ウェブ・サービスは2013年2月19日、DevOpsツールの「Chef」を使って「Amazon EC2」の仮想マシン上で稼働するアプリケーションの運用管理ができるサービス「AWS OpsWorks」を開始した。アプリケーションの展開や監視、アクセス権管理などの作業を、運用管理テンプレートを適用して自動化できる。Amazon EC2のユーザーは、追加料金なしに利用できる。

 運用担当者ではなく開発者を想定ユーザーとした運用管理ツールのことを、最近は「DevOpsツール」と呼ぶ。米オプスコードがOSS(オープンソースソフトウエア)として開発するChefは、DevOpsツールの代表格だ。リレーショナルデータベースソフトの「MySQL」やWebサーバーの「Apache」などの設定を変更するスクリプトを、プログラミング言語の「Ruby」を使って記述できる。Chefにおける運用管理用のスクリプトは「レシピ」と呼ぶ。

 アマゾンが開始したAWS OpsWorksは、このようなChefの仕組みを使って、EC2の仮想マシン上に展開するアプリケーションの運用管理を行う。ユーザーはGUI(グラフィカル・ユーザー・インタフェース)ツールを使って、EC2上に展開するシステムに必要なミドルウエアやデータベースを選択し、AWSが用意するChefのレシピ集の中から、各ソフトの運用管理に必要なレシピを選ぶ。このような操作をするだけで、OSやミドルウエアに加えて運用管理設定も組み込まれたEC2仮想マシンをセットアップできる。ミドルウエアなどの稼働状況は、AWSのモニタリングツールである「Amazon CloudWatch」から閲覧できる。

 AWS OpsWorksでは、複数台のサーバーによって構成されるシステムに必要なすべての設定情報を「Stack」という単位にまとめて保存できる。後から同種のシステム構成が必要になった場合は、このStackを使って複数台のサーバーを一気にセットアップできるという仕組みだ。