KDDIと沖縄セルラー電話は2013年2月19日、HDMI端子でテレビに接続する小型STB端末「Smart TV Stick」と、ブルーレイディスクレコーダーの録画済み番組や放送中の地上デジタル/BS・CSデジタル番組をインターネット経由でスマートフォンなどに映像配信する専用機「Remote TV」を発売すると発表した。2013年2月23日に全国のauショップやauオンラインショップで販売開始する。
Smart TV Stickは、KDDIが自社のスマートフォン向けに提供しているauスマートパス、ビデオパス、うたパスなどのサービスのほかAndroid用アプリをテレビの画面上で楽しめるAndroid4.0を採用した端末である。無線LAN環境でインターネットに接続して、各種のサービスを利用する。価格はオープンで、auオンラインショップでの価格は9800円となる。
KDDIは2012年11月に傘下のケーブルテレビ局であるジャパンケーブルネット（JCN）を通じてSmart TV Boxを提供している（関連記事）。この端末との関係についてKDDI・商品統括本部サービス企画本部長の小林昌宏氏は、「Smart TV Boxとの違いはチューナー機能を省いたことで、兄弟機と位置づけている。主にauスマートフォンのユーザーに、これまでスマホで楽しんでいたことをテレビでも楽しんでいただきたい」と狙いを述べた（写真1）。
Smart TV Stickは、ジャイロセンサーを搭載した専用リモコンや、スマートフォン用のリモコンアプリで操作する。テレビ画面で利用することやジャイロセンサーで操作することを前提とするため、利用できるアプリはauスマートパスでは約100アプリ、Google Playでは約500アプリとなる。リモコンアプリはAndroid版を提供する。iOS版の対応は「検討はしているが時期は未定」（KDDI）である。
全長10cmの筐体にはメス型のHDMIインタフェースを採用し、同梱のHDMIケーブルでテレビと接続する。これは「無線LANの電波が届きやすいとか、テレビのHDMIインタフェースの取付位置に関係なく自由に設置できることを優先したため」という。電源は「テレビの電源が不意に落とされるといったことも考えられるため」として、micro USBではなくACアダプタから供給することとした。筐体に搭載したmicro USBは「今後のサービス拡張のために用意した」という（写真2）。
auスマートパスやビデオパス、うたパスなどのKDDIが提供するサービスを利用するは、KDDIの回線とひも付いたau IDを登録する必要がある。登録できるau IDは一つだけである。Smart TV Boxでは家族が持つ複数のアカウントを登録できるが、「Smart TV Stickでは当初はシングルアカウントで対応する。社内でも議論している最中で、今後のユーザーの反応を見て複数アカウント対応にするかどうか考えたい」とした。
3M戦略とは独立して商品化した「Remote TV」
同時に発表したRemote TVは、「au IDをベースにマルチサービス、マルチデバイス、マルチネットワークを提供する3M戦略のサービスとは独立した商品。auユーザーが望むものということで並行して企画してきた」（小林昌宏氏）という。利用するのにau IDは必要なく、専用アプリは他社のスマートフォンにもインストールできる。
ブルーレイレコーダーなどのチューナー搭載機からアナログAV端子で映像を入力し、専用の視聴アプリをインストールしたスマートフォンなどの端末に映像を配信する。視聴アプリを使えば、チャンネル切り替えや録画コンテンツの早送りといったレコーダーの操作も可能。操作コマンドはアナログAVケーブルと同時に接続するHDMIケーブル経由で送出する（写真3）。
視聴アプリはAndroid用アプリのほか、Windows OS（XP SP2以降）やMAC OS X（10.5以降）のパソコン用も提供する。iPhoneなどのiOS端末用アプリも提供予定である。配信する映像は最高画質が854×480画素で、視聴端末のネットワーク環境に応じて四つの配信レートを自動選択して送出できる。価格はオープンで、auオンラインショップでの価格は1万9800円である。
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