図1 今回の実験に使った複数搬送波伝送方式
図1 今回の実験に使った複数搬送波伝送方式
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図2 伝送実験の仕様
図2 伝送実験の仕様
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 日本放送協会(NHK)は2013年2月19日、日本ネットワークサービス(NNS)と共同で行ったケーブルテレビ施設を利用したスーパーハイビジョン(SHV)映像の伝送実験に成功したと発表した。

 今回の実験には、NHKが新たに開発したケーブルテレビでSHVを配信可能とする複数搬送波伝送方式を採用した。この伝送方式は、ケーブルテレビ局(送信側)でSHV信号を分割した後に複数のチャンネルで伝送し、受信機(受信側)で同期して合成するというものである(図1)。「現行のケーブルテレビ施設の構成を変更することなく、SHV信号を伝送できる」という。実際にNNSが山梨県で運用しているケーブルテレビ施設を使用し、複数の空きチャンネルを用いて、圧縮符号化したSHV信号を伝送できることを確認した。

 伝送実験におけるSHV信号の情報ビットレートは56~170Mbpsである。64値QAM信号(1チャンネル当たり32Mbps)と256値QAM信号(同42Mbps)を組み合わせて、2~5チャンネル(1チャンネルの帯域幅は6MHz)を使って伝送した(図2)。

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