「松江オープンソース活用ビジネスプランコンテスト2013」の最終審査会が2013年2月16日、島根県松江市で開催された。一般を対象としたビジネス活用部門の最優秀賞に石倉淳一氏の「AR(拡張現実)を利用した知育玩具およびサービス」、学生部門の最優秀賞に相愛大学の中井裕梨氏の位置情報ゲームとクーポンを組み合わせた「まっちこ」が選ばれた。

 同コンテストはオープンソースソフトウエア(OSS)を生かしたビジネスのアイディアを競うコンテスト。松江市と、島根県でOSSによる産業振興に取り組む企業や個人による組織「しまねOSS協議会」が開催している。2009年に第1回が行われ、今年が5回目。今回は全国から68件(ビジネス活用部門13件、学生部門55件)の応募があった。その中からビジネス活用部門4組、学生部門5組が最終審査会でプレゼンテーションを行い、受賞者が選出された。

ARを利用した知育玩具とサービス

写真1●ビジネス活用部門 最優秀賞 石倉淳一氏の「ARを利用した知育玩具およびサービス」
写真1●ビジネス活用部門 最優秀賞 石倉淳一氏の「ARを利用した知育玩具およびサービス」
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写真2●ビジネス活用部門 優秀賞 大屋純一氏の「Shakyo 写経支援サービス」
写真2●ビジネス活用部門 優秀賞 大屋純一氏の「Shakyo 写経支援サービス」
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 ビジネス活用部門の最優秀賞を受賞した石倉淳一氏の「AR(拡張現実)を利用した知育玩具およびサービス」は、ペーパークラフトなどの簡単な組み立てをする玩具を販売。組み上がった乗り物や動物などの玩具を専用スマートフォンアプリから見ると、セリフや教育コンテンツ、広告が表示されるというもの。実際に石倉氏がOSSを活用して開発したARアプリをデモし、ペーパークラフトに目玉が表示されたりフキダシにセリフが表示されたりする様子を実演した。

 ビジネス活用部門の優秀賞は、松江商業高校の教師である大屋純一氏の「Shakyo 写経支援サービス」。ペンタブレット上で写経すると、そのデータを寺に送信して供養してもらえるサービスだ。実際にペンタブレット上で毛筆書きで写経した文字なども示し、デジタル写経の可能性を示した。

 ビジネス活用部門の奨励賞は岩石睦氏の「Fleximan」と、きむらしのぶ氏の「みんなで貸駐車(カチューシャ)」。「Fleximan」は、セキュリティ対策のリスク分析支援ツール。リスク資産を登録して整理できる。RubyとSinatoraで開発しており、OSS化を予定している。

 「みんなで貸駐車(カチューシャ)」は、個人などが所有する駐車場を貸し借りできるサービス。使用していない時間に他の人が使用できるようにすることで、駐車場不足の解消を狙う。