写真1●クルマのオープン化について講演するデンソーの安保氏
写真1●クルマのオープン化について講演するデンソーの安保氏
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 「クルマのオープン化は始まったばかり」。組み込みソフトウエアの推進団体であるOESF(Open Embedded Software Foundation)が2013年2月15日に開催した「Kick Off Seminar 2013」でこう話すのは、デンソー 情報通信サービス開発室の安保正敏氏だ(写真1)。

 同氏は、クルマのオープン化が段階的に進んでいくとみる。まずAndroidやLinuxといった汎用OSの採用に始まり、ユーザーデバイスとの連携、車両情報の開示、そして情報プラットフォームの解放へと至る。同時に、汎用OSの採用には品質保証やセキュリティに課題があるなど、各フェーズ固有の課題があると指摘した。

 同氏は、各フェーズにおける代表的な取り組みも紹介した。デンソーとしても、スマートフォンで取得した情報をカーナビに転送することで実現する連携サービス「NaviCon」を提供している。既に、80機種を超えるカーナビが同サービスに対応、200本を超えるアプリが連携サービスを提供済みだ。

 車両情報の開示については、魅力的なクルマ向けアプリの創出を目指したアプリコンテスト「SmartTech Award 2013」を開催している。クルマや家の情報をクラウドやスマホで活用したアプリを対象とする「Up Side」、クラウドやスマホの位置情報をクルマで活用したアプリを対象とした「Down Side」がある。Up Sideについては、API経由で疑似データを取得できるシミュレーターを提供している。

 同コンテストは今回が2回目の開催となり、募集期間は2013年2月28日までである。