米Gartnerが現地時間2013年2月13日に公表した世界携帯電話市場調査によると、2012年の販売台数は前年比1.7%減の17億4617万台となり、2009年以降初めて減少した。スマートフォンは好調に伸びたがフィーチャーフォンの販売台数が前年割れとなり、全体を押し下げた。厳しい経済情勢、消費者の好みの変化、市場競争の激化が要因と同社は見ている。

 2012年のメーカー別販売台数は、韓国Samsung Electronicsが3億8463万台で前年の2位から首位に浮上した。同社の市場シェアは前年の17.7%から22%に上昇している。フィンランドNokiaは3億3393万台と前年から21%減少し、2位に後退した。Nokiaのシェアは23.8%から19.1%に低下した。この後、米Appleの1億3013万台(シェアは7.5%)、中国ZTEの6734万台(同3.9%)、韓国LG Electronicsの5801万台(同3.3%)と続いた。

 第4四半期(10~12月)の販売台数を見ると、前年同期から1.2%減の4億7207万台。このうちスマートフォンは2億766万台で全体の44%を占めた。スマートフォンの販売台数は前年同期比で38%増加したが、フィーチャーフォンは同19.3%減少した。

 SamsungとAppleの第4四半期におけるスマートフォンの市場シェアは合わせて52%となり、前の四半期の46.4%から上昇した。Samsungは同四半期に6450万台のスマートフォンを販売し、前年同期から85.3%増えた。Samsung製スマートフォンのAndroid端末全体に占める割合は42.5%以上に達し、追随する第2位のAndroid端末メーカーのシェア6%を大きく上回った。GartnerのAnshul Gupta主席アナリストは「SamsungのGalaxyブランドが広く浸透しており、消費者の心理ではGalaxyはAndroidフォンとほぼ同義になっている」とコメントしている。

 Appleの第4四半期における販売台数は、4350万台で前年同期から22.6%増加した。iPhoneに対する需要は引き続き旺盛だが、iPhone 4Sなど値引き販売した旧モデルを求める消費者も多かった。11月に発売されたiPad miniの存在が、一部の消費者の間でiPhone 5への買い替えを迷わせたという。

 第4四半期のスマートフォン販売で3位となったのは中国Huawei Technologies。同社の販売台数は前年同期から73.8%増の2720万台だった。

 Gartnerは2013年も引き続きフィーチャーフォンが低迷すると見ている。一方でスマートフォンの販売台数は10億台近くにまで達し、これにより携帯電話全体の販売台数は前年比8.9%増の19億台になると予測している。

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