図●想定リスク別のBCP策定状況
図●想定リスク別のBCP策定状況
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 日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)は2013年2月13日、ユーザー企業におけるBCP(事業継続計画)策定状況の調査結果を発表した。1年前の調査に比べてBCPを策定している企業は増えたものの、「策定予定なし」の企業も少なくないことが分かった。

 調査では10種類の想定リスク別に、BCPの策定状況を尋ねた()。地震リスクに対するBCPは、約半数の企業が「策定済み」だった。「自然災害(直下型地震による局所被害)」が47.2%、「自然災害(大規模地震による広域被害)」が45.5%である。1年前の調査(関連記事)では、それぞれ37.1%、33.6%だった。この1年で10ポイント以上増えたものの、それでも半数に達するかどうかの状況である。約2割は地震を想定したBCPを「策定予定なし」と回答した。

 ソーシャルメディアの炎上といった「風評被害(うわさ、Webサーバーへのアクセス集中)」や、特定企業や特定業界を狙った「テロ・サイバーテロ」といった、新たなリスクを想定したBCPの策定も進んでいない。BCPを「策定済み」の割合は、風評被害が17.6%、テロ・サイバーテロが17.8%だった。いずれも1年前に比べ約5ポイント増えたが、それでも2割に達していないのが実情だ。

 10種類の想定リスクのうち、BCPの整備が最も進んでいるのが「システム障害」である。59.5%がBCPを「策定済み」で、1年前に比べて13.3ポイント増えた。BCPを「策定中」は11.7%、「検討中」は13.2%である。

 今回の調査結果は、JUASが実施した「企業IT動向調査 2013」の速報値である。調査期間は2012年10月29日から11月19日で、東証一部上場企業とそれに準じる企業の計4000社を対象に調査を行った。有効回答数は1030社。BCP関連の有効回答数は948社である。