米Dellの株式非公開化について、現地時間2013年2月8日、同社の主要株主である米Southeastern Asset Managementは、「Dellの価値を著しく過小評価している」と異議を唱える文書を公開した。Southeasternは、Dellの発行済み株式の約8.5%を所有している。

 Dellは2月5日、同社設立者で最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏とプライベートエクイティ会社の米Silver Lake Partnersを中心とする企業連合が同社を買収し、非公開化することで最終合意に達したと発表した(関連記事:Dell、約244億ドルで株式非公開化へ、Microsoftが20億ドルを融資)。買収総額は約244億ドル。買収先企業の資産を担保に、銀行などから調達した資金を使って手続きを完了させるレバレッジド・バイアウト(LBO)方式が用いられる。Dellの株主は、普通株1株につき現金13.65ドルを受け取る。この金額は、Dell非公開化の噂が最初に報じられる前の1月11日の終値より25%高い。

 SoutheasternがDell取締役会に宛てた文書では、Dellの資産と、サーバーやパソコン、サービス、ソフトウエアおよび周辺機器事業に、金融サービス事業なども合わせれば、1株あたり23.72ドルの価値になると主張。「(13.65ドルという金額に)きわめて失望している」と異論を示し、「委任状争奪戦や訴訟など、あらゆる手段を利用して反対する」と述べている。

 英メディアの報道(Reuters)によると、Dellの上位20株主のうちHarris Associates、Yacktman Asset Management、Pzena Investment Managementの3社が、Southeasternを支持している。これら3社の保有株を合わせると、Dellの株式の3.3%にあたる。

 こうした事態を受け、Dellは「当社取締役会の特別委員会がさまざまな選択肢を検討した結果、この取引が最良の株主価値をもたらす手段だと判断した」とする声明を発表。また、より有利な条件の買い手と交渉できる期間(go-shop期間)によって、別の選択肢が生まれる可能性があることも強調した(米Forbes)。

[Dell取締役会に宛てた文書(PDF)]