写真●米バショー・テクノロジーズ(Basho Technologies)でCEOを務めるグレッグ・コリンズ(Greg Collins)氏
写真●米バショー・テクノロジーズ(Basho Technologies)でCEOを務めるグレッグ・コリンズ(Greg Collins)氏
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 東京エレクトロンデバイス(TED)は2013年2月7日、社内(プライベートクラウド)にオブジェクト格納ストレージを構築するためのソフト「Riak CS」および「Riak EnterpriseDS」を発表(写真)、同日販売を開始した。分散データベース型のストレージ技術を中核に、これをAmazon S3互換でアクセスできるようにしている。開発会社は、米バショー・テクノロジーズ(Basho Technologies、関連記事)。

 ローカルディスクを備えたサーバー機を増設することによって容量とアクセス性能を拡張するスケールアウト構成のオブジェクトストレージである。KVS(キーバリューストア)型の分散データベース/ストレージソフト「Riak EnterpriseDS」と、Riak EnterpriseDSで構築したノード群に対してAmazon S3互換のREST APIでアクセスするフロントエンド側ノードの構築ソフト「Riak CS」を用意した。

 Riak EnterpriseDSは、分散データベースの中核機能を提供し、クラスターを構成する個々のノードに対してデータを分散保存する。ノードが停止してもデータが失われないように冗長性も確保する。他のKVSソフトと比べた優位点の一つは、異なるクラスター(クラウド)同士の間で双方向または片方向のレプリケーションがとれること。一方、Riak CSは、S3互換APIで出し入れするファイルを分割してRiak EnterpriseDSに格納する。

 稼働OSは、PCサーバー上で動作する各種UNIX系OS(Linux、Solaris、FreeBSD、Mac OS X、など)である。ソフトウエアはErlangで開発されており、標準で提供するErlangやJavaScriptのライブラリを使ってアプリケーション(ストレージサービス提供用のフロントエンドWebポータルなど)を開発できる。

 価格(税別)は、Riak EnterpriseDSが1ノード当たり年額60万円から。Riak CSは1ノード当たり年額100万円から(Riak EnterpriseDSの1ノード分のライセンスを含む)。いずれも年額購読ライセンスのほかに買い取り型の永久ライセンスも提供可能。また、Riak EnterpriseDSからレプリケーション機能と有償サポートを省いた無償版「Riak」もダウンロード配布している。なお、米バショー・テクノロジーズは、2012年9月に日本法人のバショー・ジャパンを設立済み。一方、東京エレクトロンデバイスは国内初の販売代理店である。

■変更履歴
タイトルにあった製品名「Basho CS」は「Riak CS」の誤りです。お詫びして訂正します。タイトルは修正済みです。 [2012/03/07 19:30]