経済産業省は2013年2月4日、電力やガスといった重要インフラを狙ったサイバー攻撃に備え、官民共同では国内初となるサイバーセキュリティ演習を行うと発表した。

 演習は2013年2月~3月にかけて実施する。模擬的に構築した制御システムにウイルスを侵入させ、監視用端末(HMI)や入出力コントローラ(PLC)のふるまいがどのように変化するか、どのような対策が有効かを検証する。

 ガス分野では2月5日、6日、14日、15日の4日間、アズビルの藤沢テクノセンターで実施する。ガス事業者のほか、業界団体、制御システムベンダーなどが参加する。

 ビル分野では2月25日にアークヒルズ仙石山森タワーで実施、ビル事業者などが参加する。

 電力分野は3月12日、日立製作所 大みか事業所で行う。業界団体、研究機関、電力事業者、制御システムベンダーなどが参加する。

 経済産業省が官民共同で演習を実施する背景には、重要インフラの生命線といえる制御システムへのサイバー攻撃が、国内外で相次いで確認されている事がある(関連記事)。一般のウイルス対策ソフトは制御システムのような閉域網では使えないことから、これまで積極的なセキュリティ対策が講じられていなかった。経済産業省は、今回の演習について「制御システムを保護することの重要性を、インフラ企業に対して啓発するのも目的の一つ」としている。