米連邦取引委員会(FTC)は現地時間2013年2月1日、モバイル業界の主要企業にプライバシー保護のガイドライン策定を提案する調査報告書(PDF文書)を公開した。ユーザーデータをどのように扱っているかについて、より的確に消費者に情報を提供する手法の確立を求めている。

 報告書には、米Amazon.com、米Apple、カナダBlackBerry(旧Research In Motion)、米Google、米MicrosoftをはじめとするモバイルOS開発企業やモバイルアプリケーション開発者、広告ネットワーク、モバイル分析企業などに向けた勧告が含まれる。

 モバイルOSおよびアプリケーション開発者に対しては、モバイルアプリケーションが位置情報など重要なデータにアクセスする際、ユーザーにジャストインタイムでその事実を開示し、事前に明確な承認を得られるようにするための仕組みを提供するべきだとしている。

 またモバイルOS開発者には、ユーザーがダウンロードしたアプリケーションにアクセスされるコンテンツの種類などを手軽に確認できる手段の構築を求めるほか、モバイルアプリケーション開発者には、プライバシーポリシーを確立してユーザーがアプリケーションストアで閲覧できるようにすることを要求している。

 広告ネットワークに対しては、モバイル向け行動追跡拒否(DNT:Do Not Track)機能の効果的な導入について、プラットフォーム開発者と協力する必要性を強調した。

 FTCの調査によると、2012年第4四半期に世界で販売されたスマートフォンは約2億1700万台にのぼる。モバイルアプリケーション利用者の57%は、個人情報が共有されているかもしれないとの懸念から、アプリケーションをアンインストールするか、あるいはアプリケーションのインストールを拒否した経験があるという。モバイルデバイスの個人情報を自身の手で管理できていると感じる米国人は、3分の1を下回った。

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