サイトの内容と公開日(IPA「災害に対応するITシステム検討プロジェクトチーム活動報告 ~ 東日本大震災後の活動記録と調査の紹介」)より引用
サイトの内容と公開日(IPA「災害に対応するITシステム検討プロジェクトチーム活動報告 ~ 東日本大震災後の活動記録と調査の紹介」)より引用
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 情報処理推進機構(IPA)は2013年1月28日、「災害に対応するITシステム検討プロジェクトチーム活動報告 ~ 東日本大震災後の活動記録と調査の紹介」を公開した。東日本大震災直後の被災者・復旧支援サイトおよび支援アプリの活動状況をアンケートやインタビューによりまとめた。調査により、多くのサイトが震災後1週間という短期間に立ち上がっていたことなどが明らかになった。

 東日本大震災の後、被災者支援や復興支援などのためのWebサイトが多数立ち上がった。今回IPAではそのような支援サイト運営者253人にアンケートを行い、その実態を調査した。公開日を見ると、発災後、1週間程度でリリースされたものが過半数を占めた。

 立ち上げを決めてからサービスのリリースまでに要した期間は6時間以内が18.8%と最も多く、次いで3日以内が16.1%だった。24時間以内に公開したサイトを合算すると36.7%。3日以内での合算では52.8%となり、全体の半数以上のサイトが、3日以内に公開されている。

 短期間に立ち上げることができた理由のひとつは、震災前から備えがあったこと。ただし、備えがなかった組織や個人でも、高いモチベーションをもち、支援目的・内容を明確に設定し、自分たちのもつスキルや経験を応用し、技術部品を的確に選択したことで短期間でサービスを開始できたとしている。

 また、支援サイトやサービス18プロジェクトに対するインタビューも行い、どうやって立ち上げたか、どのように工夫し、どう情報や協力者を集めたかなどをまとめている。

■震災前から活動していた団体によるサイト
(1) ジャスト・ギビング・ジャパン(JustGiving Japan)
(2) 東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)
■被災地に拠点をもつ団体によるサイト
(3) 被災者をNPOとつないで支える合同プロジェクト(つなプロ)
(4) ネトボラ宮城
(5) 一般社団法人SAVE IWATE
(6) うらと海の子再生プロジェクト
■個人が中心になって運用したサイト
(7) 311HELPcom
(8) 防災情報ストリーム
(9) WiFiMap 無線LANアクセスポイント強度地図作成
(10) 緊急地震速報 by Extension
(11) 炊き出したん 103(12) TwitForYou!
(13) JAWS-UG 災害復興支援
(14) 近隣Tweet確認サイト
(15) 炊き出しまっぷ
(16) OLIVE 災害wiki データベース。
■法的・制度的な課題をとくに意識して対応したサイト
(17) 放射線量取得API
(18) 日本Androidの会payforwardingプロジェクト

 またIPAは、災害にかかわるIPA全体の調査結果を集めた「災害に対応する IT システム検討プロジェクトチーム活動報告 ~ 東日本大震災後の活動記録と調査の紹介」も同日公開した。災害対応の視点から行った、震災時の情報セキュリティ、震災とクラウドの関係、自治体の情報基盤における震災の影響、高回復力システム基盤の必要性等、に関する各種調査をまとめている。