写真1●ソフトバンクモバイルは複数の第三者機関による調査において速度の評価が高いと強調(ソフトバンクの決算資料から抜粋)
写真1●ソフトバンクモバイルは複数の第三者機関による調査において速度の評価が高いと強調(ソフトバンクの決算資料から抜粋)
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写真2●音声の接続率も大幅に改善したと主張(ソフトバンクの決算資料から抜粋)
写真2●音声の接続率も大幅に改善したと主張(ソフトバンクの決算資料から抜粋)
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写真3●データ通信の接続率も大幅に改善したと主張(ソフトバンクの決算資料から抜粋)
写真3●データ通信の接続率も大幅に改善したと主張(ソフトバンクの決算資料から抜粋)
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 ソフトバンクの孫正義社長は2013年1月31日に開いた決算説明会(関連記事)において、複数の第三者機関による調査結果を持ち出し、最後の課題だった設備面の課題も克服しつつあるとアピールした。

 孫社長によると、RBB TODAYが実施した速度調査において、最速地点が最も多かったのはソフトバンクモバイルだったという。さらに価格.comの「関東エリア調査」、ICT総研の「全国ランドマーク調査」や「新幹線駅調査」、MM総研の「全国人気の街調査」などの結果を引き合いに出し、同じくiPhoneを販売するKDDI(au)に比べて速度面で勝っていると力説した(写真1)。

 加えて、プラチナバンドの900MHz帯に対応した基地局数が約2カ月前倒しで1万6000局に達したことを発表。これにより、速度だけでなく、接続率も大幅に改善しているとの主張を展開した。音声接続率(イプソス調査、写真2)とデータ接続率(ヤフー提供のデータを基に調査、写真3)の両方でNTTドコモとKDDIを上回ったとの調査結果を披露。孫社長は「もちろん一時的かもしれない。何かの錯覚かもしれない。計算違いかもしれない。多くの人が、ソフトバンクが一番つながらないと思っている。私もそう思っています」などとして笑いを誘いながらも、猛アピールした。

 スプリント・ネクステルの買収については、スマートフォンやネットワーク機器の調達で大きなシナジーを得られると説明した。スマートフォンの販売台数を両社で合計すると2170万台になり、「NTTドコモの2倍以上、KDDIの4倍近くに匹敵する。周波数対応やコンテンツなどの面で購買交渉力が高まる」(孫社長)。設備投資も中国移動に次ぐ世界2位の規模となり、ネットワーク機器の調達でも大きなスケールメリットが出るという。

 さらに同社には日本テレコム、ボーダフォンジャパン、ウィルコムを買収してV字回復させた実績とノウハウがある。「実はこれが目に見えない大きな資産になる。『Gun Jumping』のルールがあり、買収が完了するまではソフトバンクからスプリント・ネクステルに対して指示や命令は一切出せない。ただ(スプリントの)経営陣と毎週、(テレビ会議などで)顔を合わせて会議しており、改善すべきテーマがだいぶ見えてきた。相手を知れば知るほど嬉しくなってきており、自信も深まってきた」(孫社長)とした。