WOWOWは2013年1月30日、2012年度第3四半期決算説明会を開催した。連結業績は売上高が525億300万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は47億2900万円(同7.1%減)、経常利益 は50億3900万円(同5.6%減)、純利益は31億3300万円(同7.3%減)だった。

 累積加入者の増加により増収を確保した。一方で、番組費と広告宣伝費の増加を有料放送収入の伸びで吸収したものの、厚生年金基金からの脱退によって発生した退職給付費用(3億2900万円)を計上した影響などで減益となった。代表取締役社長の和崎信哉氏は、「増収減益となったが、ほぼ計画通りの数字」として、収益の推移は予定通りという考えを示した。

 累積加入者数の増減は、2012年度第3四半期末時点で7万8041件の純増となった。「第2四半期は有料放送にとっては逆風となるオリンピック開催があり苦戦したが、第1四半期と第3四半期は順調に加入者が増えた」(和崎氏)と説明した。特に12月は6万3149件の純増と、直近10年で最高値となったという。

 第4四半期については、「今年度の目標である12万件の純増に向けて取り組みを進めていく」とした。年度末に向けた取り組みとしては、「未加入者との接点強化」(無料放送の実施など)と「加入者満足度向上への取り組み」(映像配信サービス「WOWOWメンバーズオンデマンド」の強化など)を挙げた。さらに番組編成では、新規加入の獲得と解約防止を意識したコンテンツをラインアップする。

4K放送については「研究を進めていきたい」

 説明終了後の質疑応答では、加入者満足度向上への取り組みについて、「我々は加入者が初めてWOWOWと契約する際に加入動機をお聞きするなど、情報を蓄積している」「これまでプログラムガイドを送付するなど一方通行だった加入者とのコミュニケーションを双方向で行うようにしたい。そのためのシステム構築を含めて、現在検討をしている」と述べた。総務省などが実現に意欲を見せている4K放送については、「行政などが実現を前倒しする方向で動いていることは承知している」「我々はこれまでも新しいメディアやデバイスには積極的に対応してきた。今後、4Kについての研究を進めていきたい」とした。

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