米IDCは現地時間2013年1月24日、世界の携帯電話市場に関する調査結果(速報値)を公表した。それによると2012年第4四半期(10~12月)における出荷台数は4億8250万台で、前年同期の4億7340万台から1.9%増加した。このうちスマートフォンは前年同期比36.4%増の2億1940万台となり、携帯電話全体に占める割合は45.5%に達した。

 携帯電話のメーカー別出荷台数を見ると、韓国Samsung Electronicsが前年同期から12.3%増の1億1120万台で首位。2位はフィンランドNokiaで同23.9%減の8630万台。3位は米Appleで同29.2%増の4780万台。この後、中国ZTE(同14.6%減の1760万台)、中国Huawei Technologies(同13.7%増の1580万台)と続いた。

 スマートフォンのメーカー別出荷台数は、Samsung、Apple、Huawei、Sony Mobile Communications、ZTEの順となった。このうちSamsungの出荷台数は前年同期比76.0%増の6370万台で、同社の世界スマートフォン市場におけるシェアは前年同期の22.5%から29.0%に拡大した。またHuaweiの出荷台数は同89.5%増の1080万台。同社の伸び率は上位5社の中で最も高かった。

 IDCによると、Samsungのスマートフォン出荷台数は四半期ベース、年間ベースともに過去最高を更新した。Galaxyシリーズの幅広い製品ラインアップが寄与したほか、低・中価格帯端末の需要が高い水準を維持しているという。またHuaweiは今回初めて3位に入った。低価格端末に加え、高価格帯の「Ascend」ブランドが好調だった。

 一方Appleの出荷台数も4780万台と過去最高を更新したが、同社の伸び率は上位5社の中で最も低かった。iPhoneは大中華圏で2倍に伸びたほか、米国ではVerizon Wirelessだけでも620万台が新規にアクティベートされるなど好調だった。ただし、同社の成功は、iPhone 4をはじめとする旧モデルの出荷増によってもたらされたとIDCは分析している。これら旧モデルに対する需要は旺盛だったが、生産が追いつかなかったという。

 2012年の1年間における携帯電話の世界出荷台数は17億3590万台で前年比1.2%増。このうちスマートフォンは7億1260万台。スマートフォンの出荷台数は前年から44.1%増えた。

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