ネットワーク機器販売大手のネットワンシステムズは2013年1月25日、新設した「品質管理センター」の記者・証券アナリスト向け内覧会を開催した。新センターは、従来は3カ所に分散していたネットワーク機器の入出荷拠点と、検品や動作検証などを行う拠点を移転・統合したもの。1月7日から稼働している。

 ネットワンは米Cisco Systemsなど海外メーカーのネットワーク機器を輸入し、通信事業者やデータセンター、情報システムのユーザー企業などに納入している。海外製ネットワーク機器の品質は日本製ほど高くないのが実情で、初期不良率は1~3%に達するという。

 ネットワンは新拠点における検品・動作検証の徹底によって、不良率を約0.1%まで抑える。機器を再販するだけではなく、品質保証で付加価値を高めることを狙う。

 さらに、最新の設備と拠点の集中化によって、品質管理にかかわる作業の効率を従来比で約20%改善できるという。将来的には、現在は全国の支店や納入先で行うことが多い動作検証業務を新センターに集約し、支店は営業活動や顧客サービスに専念できるようにする。

交流・直流の電力を豊富に用意

写真1●ネットワンシステムズで「品質管理センター」関連業務を統括するサービス事業グループ品質管理本部の磯崎洋一本部長
写真1●ネットワンシステムズで「品質管理センター」関連業務を統括するサービス事業グループ品質管理本部の磯崎洋一本部長
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 センターは、東京都大田区の羽田空港に近い物流業務ビルの5、6、7階に入居している。ネットワンが利用する床面積は1万7000平方メートルで、社員約60人と協力会社の約200人が勤務する。物流倉庫としての機能だけではなく、動作検証や初期設定(プレインストール)などを行う機能を持たせたのが大きな特徴だ。

 サービス事業グループ品質管理本部の磯崎洋一本部長(写真1)は、「特に動作検証時にポイントになる『電源』関連の設備を充実させている」と説明した。動作検証や初期設定を行う「プレインストールエリア」にはラックや作業用テーブルに加えて、電源コンセントが多数あり、給電容量も十分に確保している(写真2、3)。

写真2●東京都大田区にあるセンターの「プレインストールエリア」の様子
写真2●東京都大田区にあるセンターの「プレインストールエリア」の様子
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写真3●プレインストールエリアの床には多数の通信機器の動作検証を行いやすいように電源プラグが無数にある
写真3●プレインストールエリアの床には多数の通信機器の動作検証を行いやすいように電源プラグが無数にある
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