写真1●新機種をアピールするKDDIの田中孝司社長(写真中)。写真左は深澤直人氏、右は中村勇吾氏
写真1●新機種をアピールするKDDIの田中孝司社長(写真中)。写真左は深澤直人氏、右は中村勇吾氏
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写真2●ホーム画面(左)をスクロールすると、個々のパネルがゼリーのように変化する(右)
写真2●ホーム画面(左)をスクロールすると、個々のパネルがゼリーのように変化する(右)
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 KDDI(au)は2013年1月24日、4G LTEに対応したスマートフォンの新機種「INFOBAR A02」を2月中旬に発売すると発表した。人気ブランド「INFOBAR」シリーズの5代目(コンセプトモデルを除く)に当たり、昨年10月の冬モデルの発表会(関連記事)で予告済み。冬モデル10機種に今回の新機種を加えた11機種で春商戦に臨む。

 INFOBAR A02は台湾HTC製で、4.7型HD液晶、動作周波数1.5GHzのクアッドコアCPU、2100mAhの大容量バッテリーなどを搭載したハイエンドモデル。ワンセグやおサイフケータイ、赤外線通信、2.4G/5GHz帯に対応した無線LAN、最大8台までのテザリング機能などを備える。OSはAndroid 4.1。防水・防塵対応で、色はINFOBARシリーズでお馴染みの赤を基調としたNISHIKIGOI、白が基調のICE GRAY、青が基調のAOAOの3種類を用意した。価格は未定とする。

 発表会に登壇した田中孝司社長(写真1)はクラウド時代を迎え、今後は情報との向き合い方をデザインしていくとの考えを示した。INFOBAR A02では情報への接続をシンプルかつリアルタイムに、情報の見え方を自由に自分好みにカスタマイズできるようにしたという。

 具体的には、音楽や写真、書籍、SNSなどのアプリやウィジェットをパネル化し、自由に配置することでオリジナルのホーム画面を作れる。例えばアルバムを指定して写真をランダムに表示したり、FacebookやTwitterを指定して最新の投稿を表示したりできる。アドレス帳にある家族や友人などの写真をホーム画面に張り付け、そこから直接、通話やメール送信なども可能とした。

 INFOBARでお馴染みとなった深澤直人氏が端末のデザインを手掛け、UI(ユーザーインタフェース)は中村勇吾氏、サウンドは小山田圭吾氏がそれぞれ担当した。従来は外観とUIのデザインが分かれていたが、今回はハードとソフト、UIが境目なく同調する「一つの塊」としてデザインしたという。深澤直人氏は「従来のデザインが『あんこ』と、それを包む『もなか』になっていたとすると、今回は『ようかん』を作った」と説明する。例えばサイドキーはUIのパネルと高さを合わせるなどである。

 ホーム画面のUIでは、スクロールすると個々のパネルがゼリーように変化するアニメーションを取り入れた(写真2)。中村勇吾氏は「ゼリーの物理的な挙動をシミュレートするアルゴリズムを組み込むことで新しい感触、質感を出そうと考えた」という。各パネルには6つの異なる音色がランダムに割り当てられており、パネルの長押しで配置を変えると、パネル同士が触れ合った際に心地よい音色が流れるといった仕掛けも施してある。小山田圭吾氏は着信音や目覚まし時計の音まで手掛け、CMも端末の音で製作した。

 深澤氏は新端末について「五感で全部吸収できるようになっており、使っていくうちに段階を経て楽しさを実感できる。完成度の高いものができた」と胸を張る。KDDIも「手に取らないと魅力が伝わりにくいので是非触ってみてほしい」(プロダクト企画本部プロダクト企画1部の砂原哲氏)とした。同社は、1月25日からKDDIデザイニングスタジオ(東京・原宿)とau NAGOYA(名古屋・栄)で新機種の展示を始める予定。