日立製作所は2013年1月24日、ブレードサーバーのLPAR(論理パーティショニング)機構「Virtage」とWindows Serverのサーバー仮想化機能「Hyper-V」を組み合わせたシステムの動作を検証する設備「Virtage for Hyper-Vソリューションセンター」を、日本マイクロソフトと共同で開設した。

 検証設備の設置場所は、日立製作所の「ハーモニアス・コンピテンス・センター」(品川)。日立製作所のエンジニア10人と日本マイクロソフトのエンジニア10人が、同検証設備の担当を兼任する。ユーザー企業は、両社の技術支援の下で、自社システムの動作検証や性能評価のために同設備を利用できる。

 検証設備の成果の一つとして、2013年上期(4月~9月)には、日立製作所が正式にLPAR上でのHyper-V動作を保証する。現状では、LPAR上での動作を保証するサーバー仮想化ソフトは、KVMに限られる。2013年上期に、二つ目のサーバー仮想化ソフトとしてHyper-Vを加える。

 なお、技術的には、KVMへの対応のために2012年10月にリリースしたLPARのファームウエアから、KVMやHyper-Vを含んだ一般的なサーバー仮想化ソフトを、LPAR上で動作させられるようにしている。具体的には、複数のLPAR領域でXeon CPUが備える仮想化支援機構「Intel VT-x」が使えるように、VT-xを論理的に多重化した。

 LPAR上でHyper-Vを動作させる用途として、日立製作所はいくつかのユースケースを想定している。信頼性の面では、ハードウエアの一部に障害が発生した際に、該当するハードウエアを使っているLPAR(Hyper-V)だけを停止させ、他のLPARは処理を継続させることができる。また、運用面では、サーバー仮想化ソフトの環境を丸ごと切り出して貸し出す「VMM as a Service」の際に、リソースが固定化された物理サーバーの単位ではなく、リソース割り当て量を制御可能なLAPRの単位で切り出せる。

 対象となるブレードサーバーは、当初はハイエンドブレードサーバー「BladeSymphony BS2000」シリーズの標準的なサーバーブレード「BS2000標準サーバブレード」である。順次、同シリーズの他のサーバーブレードでも利用できるようにする。