米MITメディアラボは2013年1月18~19日の二日間、東京・代官山のデジタルガレージにおいて来場者参加型のイベント「MIT Media Lab @Tokyo 2013」を開催した。MITメディアラボは米マサチューセッツ工科大学にある研究所の一つで、主にデジタル技術の研究開発を行っている。MIT Media Lab @Tokyoは、ICT関連の研究開発動向や利活用動向を来場者たちと共有しながら、より良い方向に進める道筋や方策を共に探求するためのイベントである。2日間に渡って、さまざまなセッションや議論の場が設けられ、250人超が参加した。

写真1●冒頭の挨拶に立った伊藤穣一 MITメディアラボ所長
写真1●冒頭の挨拶に立った伊藤穣一 MITメディアラボ所長
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 MIT Media Lab @Tokyoの今回のテーマは「Brain and Borg(脳とボーグ)」。ボーグはサイボーグなどに使われている言葉で、生命体を補足・拡張するための制御系を指す意味などで使われる。このテーマを設定した狙いについて、冒頭の挨拶に立った伊藤穣一 MITメディアラボ所長(写真1)は、「ソフトウエア製品や機械製品におけるユーザーインタフェースのあり方などを突き詰めていくと、最後は脳の働きに行き着く。脳について積極的に学んでほしいという思いを込めた」と語る。

 イベント初日の前半は、脳の働きについて登壇者が講演。初日の後半はイノベーションについての講演が行われた。2日目は、来場者が意見を交換する対話的なセッションが中心。これらのセッションでは、ICTの進歩が支える最新のトレンド、例えばビッグデータやスマートフォン、ソーシャルメディア、メーカームーブメント、ワークスタイル変革などを下敷きにした、さまざまな形態でのICT利活用についての議論がなされた。