WOWOWの代表取締役社長の和崎信哉氏は2013年1月17日の定例会見で、加入者とのコミュニケーションを深めるなどして関係を強化する意向を示した。1月7日の年頭会見で同社の社員にも伝えたという。

 和崎氏は加入者からの視聴料を収益源とするWOWOWの事業形態を「会員制ビジネス」と表現したうえで、「解約件数の減少に向けて、会員と安定した関係を築く必要がある」とした。プレミアムペイチャンネルを運営するWOWOWは、加入者が満足するだけの深みのあるコンテンツを提供する必要がある。このためには、「一方的に放送コンテンツを発信するだけでなく、会員との双方向の関係を改めて再構築する必要があると考えている」という。加入者の情報を世帯レベルではなく個人レベルで把握したうえで、「会員とキャッチボールができる体制をつくっていきたい」と意欲を見せた。さらに加入者ではないがWOWOWに関心を持っている人がWOWOWに接する場の創設する意向を示した。

 和崎氏の説明終了後の質疑応答で、常務取締役の橋本元氏は「Web and TV」と呼ばれるインターネットと放送の連携により放送局と加入者個人がつながりやすくなる環境では、「バーチャルな映像サービスだけでなく、リアルなサービスも取り込んでいくことが、有料放送のさらなる高度化にとって重要だと思っている」とした。