写真●「農林水産省へのサイバー攻撃に関する調査委員会」で挨拶する稲津久大臣政務官
写真●「農林水産省へのサイバー攻撃に関する調査委員会」で挨拶する稲津久大臣政務官
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 農林水産省は2013年1月17日午前、同省会議室で「農林水産省へのサイバー攻撃に関する調査委員会」の第1回会合を開催した。委員長を務める大臣政務官と、セキュリティの専門家や弁護士ら4人の委員が出席した。今後通信記録の検証や農水省の対応の是非などを検討する調査を進め、結果を公表する。

 稲津久大臣政務官(写真)は会合の冒頭で、「組織が保有する情報資産を守り維持することが不可欠であることは言うまでもない。だが、農林水産省はサイバー攻撃を受けており、年明け以降報道もされている。実際に、情報の流出が疑われる通信が確認された。このため、現在保存しているすべての通信記録を基に、コンピュータを通じた情報流出の有無や、それに対する農林水産省の対応を、委員の皆さんと徹底的に調査・検証したい」と話した。

 会議は冒頭を除いて非公開で行われた。農水省は調査結果について「情報セキュリティの観点から精査した上で、できる限り速やかに公表する」としている。

 2012年までに政府機関に対するサイバー攻撃が相次いで発覚しており(財務省最高裁判所文化庁など)、対策は国家的課題になっている。特に農水省を巡っては、環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉過程に関する機密文書がサイバー攻撃を通じて外部に流出した可能性が指摘されている。

[農林水産省の発表資料]