防衛省・自衛隊は2013年1月15日、「Xバンド」衛星通信中継等の整備・運営事業について、同日付でスカパーJSATグループと契約締結したと発表した。スカパーJSATは特別目的会社としてディー・エス・エヌを設立し、スカパーJSATが65%、NECが17.5%、NTTコミュニケーションズが17.5%の割合で出資する。このディー・エス・エヌが次期Xバンド衛星の打ち上げから運用までを一括して受託する。

 契約期間は1月15日から2031年3月31日までで、契約金額は全期間総計で1220億7402万6613円(税込み)。この間にスカパーJSATはXバンド通信用衛星を2機打ち上げて運用する。NECは衛星の製造や地上施設の整備を担当。NTTコミュニケーションズは地上施設の維持管理を請け負う。

 Xバンド通信は8GHz以上の高周波数帯域を使う通信のこと。携帯電話通信や地上デジタル放送などよりもはるかに高い周波数で、従来の衛星通信と比較して、気象などの影響を受けにくい、高速・安定通信が可能である、といった特徴がある。

 現在、防衛省・自衛隊はXバンド通信衛星3機を運用しているが、このうち2機が2015年度中に設計寿命を迎える。このため、公共事業に民間企業が参画する「PFI事業」として、後継機の打ち上げ・運用を推進することになった。次期Xバンド衛星では、陸・海・空の各自衛隊を連携・横断する情報通信基盤として活用し、大規模災害や領海・領空侵犯などへの迅速な対応がしやすい体制を整える。

[防衛省の発表資料]
[NECの発表資料]