写真1●Toshiba Smart Client Managerの概要
写真1●Toshiba Smart Client Managerの概要
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 東芝は、2013年1月8日から米ラスベガスで開催中の「2013 International CES」において、企業向けの情報システム管理ソリューション「Toshiba Smart Client Manager」(以下TSCM)を展示した(写真1)。

 TSCMは、IBMのシステム運用管理製品「Tivoli」をベースに、東芝がカスタマイズを施したもの。現バージョンのTSCMでは、情報セキュリティやBYOD(私物デバイス管理)、省電力管理に関する機能を提供していたが、そこにHDDの故障予知機能を組み込む。新バージョンの提供は2013年中を予定しているという。

 新機能のHDDの故障予知とは、SMART情報によるバッドセクター数の変動などを定期的に収集し、東芝のHDD事業で蓄積してきた独自の判断基準にもとづいて、故障時期を予知するというもの。HDDが故障する例として、短期的要因ではノートPCの落下によるプラッタへのヘッドの接触が、長期的要因でにはスピンドルモーターの劣化が挙げられるという。とはいえ、「落下による衝撃でバッドセクターができても、その後は無事に動き続ける場合もある。そういった例外的なケースも、東芝が蓄積してきたデータで適切に判断できる」(ブース説明員)と説明した。

 CES2013の東芝ブースでは、実際に寿命の近づいたHDDを接続することで、管理者にアラートを送信するというデモを行っていた(写真2写真3)。

写真2●複数のHDDを用いたデモ
写真2●複数のHDDを用いたデモ
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写真3●管理ツールのデモ
写真3●管理ツールのデモ
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 デモでは、クライアントPCから送信されたアラートを確認したシステム管理者は、データバックアップを促すメッセージを手動でクライアントに送信していた。実際には大量のクライアントPCを効率的に管理する必要があるため、「ユーザー企業で利用しているバックアップソフトウエアに合わせて、東芝が自動化処理をカスタマイズして納品する」(ブース説明員)とのことだ。

 HDDの故障直前にデータのバックアップを取ろうとすると、バックアップ中に故障する恐れがあるため、故障を予知した時期から余裕をもってアラートを送信しているという。Ultrabookなど、SSDを採用したPCが増加しているが、「SSDについても対応を進めている。書き換え回数などを監視することで、故障を予知できる」(ブース説明員)と説明した。