Broadcom社で携帯電話機向けチップセットを手掛けるSr. Director of Marketing のMichael Civiello氏
Broadcom社で携帯電話機向けチップセットを手掛けるSr. Director of Marketing のMichael Civiello氏
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Galaxy S2+に、「BCM28155」が採用されているという
Galaxy S2+に、「BCM28155」が採用されているという
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Galaxy Grand Duosにも利用されているという
Galaxy Grand Duosにも利用されているという
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 米Broadcom社は、LTE対応のスマートフォンに向けた参照設計(いわゆるターンキー)を開発、年内にも出荷する方向で準備を進めていることを明らかにした。同社はこれまでも普及価格帯のスマートフォンに向けたHSPA+のターンキー・ソリューションを手掛けていたが、LTE対応品は手付かずだった。LTE製品を加えることで、今後拡大する普及価格帯のLTE端末市場に打って出たい考えだ。

 Broadcom社は、「2013 International CES」に設けた招待客向けの特設ブースにおいて、同社のLTE対応チップセットを搭載した端末の試作機を披露した。デュアルコア構成のCPUコアを備えたマイクロプロセサに、ベースバンド処理ICやRFトランシーバIC、電源管理IC、ディスプレイ・コントローラなどを組み合わせている。同社のほかのターンキーと同様に、デュアルSIMに対応する。

 Broadcom社のスマートフォン向けチップセットは現在、中国市場などを中心に採用を拡大している。今回のLTEチップセットに関しては、米国や日本市場にも展開していきたいという。韓国Samsung Electronics社がGalaxyシリーズにおいてBroadcom社のチップセットを活用し始めていることから、Samsung社の端末展開にあわせて導入先が広がっている状況にある。Broadcom社のブースでは、同社のチップセットを活用したSamsung社のGalaxyシリーズの端末が展示されていた。例えば、最大21.1Mビット/秒のHSPA+対応の「BCM28155」を採用した「Galaxy S2+」や、同様に28155を採用する大画面の端末「Galaxy Grand Duos」などである。

 Broadcom社はLTE関連の技術資産を獲得する狙いで、2010年10月に米Beceem Communications社の買収を発表している。今回のCESの会場ブースには、かつてのBeceemのスタッフがLTE対応品を説明する姿も見られた。LTE対応品の出荷時期は未公表だが、「時期はかなり近い」(関係者)という話も出ており、2013年前半にも何らかの発表を行うとみられる。