写真●イグアスの矢花達也代表取締役社長
写真●イグアスの矢花達也代表取締役社長
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 JBCCホールディングスのグループ会社であるイグアスは2013年1月10日、物理的に離れた場所にいる複数のメンバーがPC上で共同作業をするためのクラウドサービス「Sococo Team Space」の提供開始を発表した。同サービスは、Web会議や電話、画面共有機能などによって共同作業を実現する。

 特徴的なのは、画面上に仮想のオフィス空間を表示し、参加者ごとに異なるアバターを配置することで、一目で各人の状況が分かるようにしていること。1月からの国内提供で、既に4社、合計数百ユーザーが利用を始めているという。現時点でメニューなどは英語表記だが、1月末をメドに日本語化する予定

 Sococo Team Spaceは米ソーシャル・コミュニケーションが開発・提供するサービスで、イグアスが国内総代理店契約を結んだ。ユーザーは専用のクライアントソフトをパソコンにインストールし、米国のデータセンターにあるサーバーと接続してサービスを利用する。複数人によるWeb会議や、固定電話や携帯電話も含めた音声ミーティング、デスクトップ画面の共有、テキストチャットなどの機能を利用できる。テキストによるミーティングには電子メールで参加することも可能だ。固定電話や携帯電話へは、米国のデータセンターから発信する(着信は不可)。その料金は固定電話向けが2.4円/分、携帯電話向けが12.8円/分(料金は現時点のもので、為替レートにより変わる)。

 仮想のオフィス空間は自由にレイアウトを変更できる。個室や会議室などを配置し、それぞれの部屋で別々の会議や作業を行えるため、誰が誰と共同作業をしているかなど、各人のプレゼンス(状況)を把握しやすい。部屋はドアが開いていれば自由に入れる(会議などに参加できる)が、閉まっていれば許可されなければ入れない。「離れた場所にいる複数のメンバーが、まるで同じオフィスにいるような感覚で共同作業ができるため、作業効率を高めやすい」と、矢花達也代表取締役社長(写真)は説明する。

 サーバーが米国にあるのでネットワーク遅延の影響が気になるところだが、「日本の採用企業の1社は150ユーザーで利用しているが、全くストレスなく使えている」(ソリューション&サービス推進 ソリューション支援の石井優司 担当部長)という。「独自プロトコルの採用により、512kbps(ビット/秒)のインターネット接続環境で同時に10ユーザーが利用しても問題はない」(同)。

 想定される利用シーンとしてイグアスは、アジャイル開発のプロジェクト管理やテレワーク、遠隔地の顧客に対する営業提案などを挙げる。料金は1ユーザー当たり2500円で、最小契約ユーザー数10、契約単位は1年。さらに企業のセキュリティ環境とのインテグレーションといったカスタマイズなどを含んだEnterprise版を4000円/1ユーザー(最小契約ユーザー数100、契約単位1年)で提供する。初年度、3000ユーザーの販売を目指す。