写真●Red Hat Enterprise Virtualization 3.1の画面
写真●Red Hat Enterprise Virtualization 3.1の画面
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 レッドハットは2013年1月10日、Linux標準のサーバー仮想化ソフト「KVM」を使った仮想化基盤ソフトの新版「Red Hat Enterprise Virtualization 3.1」を発表、同日提供を開始した。新版では、1台の仮想マシンに割り当てられるスペックを高めたほか、ストレージマイグレーション機能のプレビュー版を装備した。管理画面も日本語化した(写真)。

 新版では、1台の仮想マシンに割り当てられるスペックを向上。具体的には、仮想マシン当たり、最大160個の論理CPUと最大2Tバイトのメモリーを割り当てられるようにした(従来版は、最大64個の論理CPUと最大512Gバイトのメモリー)。これにより、データベースなどのスケールアウトが難しい高負荷アプリケーションを、以前よりも容易に動作させられるようになった。

 さらに、仮想マシンのライブマイグレーション(運用中の仮想マシンを別のサーバー仮想化ソフト上に移動させること)に加え、新たにストレージライブマイグレーション(運用中の仮想マシンが利用している仮想ストレージを別のストレージに移動する)を利用できるようにした。この機能のプレビュー版を搭載した。

 また、外部接続可能なストレージとして、同社のスケールアウト型NASストレージソフト「Red Hat Storage Server」(関連記事)を公式にサポートした。従来版(3.0)の出荷時にはRed Hat Storage Serverが出荷されていなかったため、3.0のサポート表明リストには含まれていなかったものである。

サーバー統合に加えてVDIソフトも用意

 製品は、サーバー仮想化基盤となる「Red Hat Enterprise Virtualization for Servers」と、VDI(デスクトップ仮想化)基盤となる「同for Desktops」の2つの種類がある。for Desktopsは、for Serversのアドオンライセンスとなる。for Serversは、1CPUソケット当たりのライセンスを採用。for Desktopsは、同時接続25人当たりのライセンスを採用している。

 標準で購入する年額サブスクリプションライセンスは、サポート対応時間帯に応じて2種類を用意した。いずれも電話およびWebサイトで対応する。「スタンダード」は、月曜日から金曜日の午前9時から午後5時の対応。「プレミアム」は、週7日24時間の対応となる。

 それぞれの価格(税別)は以下の通り。for Servers(1CPU当たり)は、スタンダードで年額6万4900円、プレミアムで年額9万7400円。for Desktops(25同時接続当たり)は、スタンダードで年額4万8800円、プレミアムで年額7万3200円。