富士通は2013年1月10日、京都大学の既存汎用サーバー128台を、同社製マルチノードサーバー「PRIMERGY CX400 S1」および「PRIMERGY CX250 S1」計128台に置き換え、400台以上の仮想サーバー設定が可能な学内プライベートクラウドを構築したと発表した。さらに、同システムのバックアップサイト(BCPサイト)を、同社の東日本地区データセンターに構築する計画だ。

 同システムでは、プライベートクラウド環境とBCPサイトの両方に、同社製ストレージシステム「ETERNUS NR1000F series」を設置。同ストレージが搭載する「SnapMirror」機能を用いて、学内システムとBCPサイトの間で増分データ転送を行い、重要データを遠隔地にバックアップする。学内システムとBCPサイト間の通信回線は、大学・研究機関向けの学術情報基盤として国立情報学研究所が提供しているネットワーク「学術情報ネットワークSINET4」を利用する。

 また、仮想サーバーのうち、一部の重要なものについて複製情報を学内システムとBCPサイトで共有しており、被災時や停電時でも、同社データセンターに設置した代替サーバーへ運用を切り替えてシステムを維持する。

 今回同社は、京都大学にある汎用サーバーのうち128台を同プライベートクラウドに集約した。同システムは400台以上の仮想サーバーを設定可能であり、同大学では、現在学内各所で個別に運用されている残りの汎用サーバーを順次同システムに集約していく計画だ。